Search

ジゼル・ブンチェン流、サステナビリティのある生活。 - VOGUE JAPAN

15年に渡り世界で最も稼ぐモデルの地位に君臨してきたジゼル・ブンチェン。トップモデル、実業家、国連環境計画親善大使、そして母として、常に全力投球をしてきた彼女が今、最も力を注いでいるのは地球の再生について。昨秋サステナビリティの重要性と、美は内在するという考えを共有するディオールのスキンケアライン「カプチュール トータル」のミューズに就任した彼女が語る、サステイナブルな生活、子育て、そして夢とは?

Photo: Nino Muñoz for Parfums Christian Dior

──世界中を飛び回り、子育てや旦那さんのサポートなどもこなすスーパーウーマンのジゼルさんですが、どのように時間をやりくりされているのでしょうか?

私には12歳(※夫トム・ブレイディと前彼女ブリジット・モイナハンとの子)と9歳の男の子、6歳の娘、それから犬も3匹飼っていて、夫にも気をつかってあげないといけないから、いつもバタバタしていて退屈するヒマがないわ。でも、私はこういう生活が好きなの。やろうと思えば何でもできないことはないけど、全部同時には無理じゃない? だから生活のそれぞれの場面で、あらゆる瞬間を楽しむことにしているわ。

──自分の時間を確保するのは難しそうですね。

いいえ、そんなことないの。私は毎朝5時半とか、早い時間に起きて瞑想やエクササイズをする時間を持つようにしているから。朝起きて犬にご飯をあげたら犬を庭に出して、それから子どもが起きてきたら彼等の朝食やお弁当の準備をする。子どもたちが起きてくるまでが、自分のケアの時間よ。

──ジゼルさんはさまざまなアプローチからサステイナブルな取り組みをされていますが、実現の鍵は教育にあるとおっしゃっていますよね。あなた自身は、サステナビリティについてお子さんたちにどのような教育をされているのでしょうか?

まず小さなこと、出来ることから始めなければだめ。基本的なことだけど、まずは「3つのR」ね。ゴミを減らし(Reduce)、再利用し(Reuse)、リサイクルする(Recycle)。この3つを意識して、自分の行動や生活すべてに気をつけることね。

愛娘と一緒にビーチでのスナップ。ヘルシーに鍛えられたスーパーボディは健在。 Photo: Instagram/@gisele/Gisele Bündchen

──実際にご家庭でもこれらを実行していらっしゃるんですね。

そう。例えば我が家では子どもたちにも環境の大切さを分かってもらえるように、コンポストを置いたり、庭で養蜂をしたり、できる限りプラスチック製のボトルは使わないようにしているわ。食料品店に行くときはマイバックを持参するし、農家から直接食材を買ったりもする。こうすることで、私たちの起こすアクションすべてが環境に関わっていることを、子どもにも理解してもらえるから。それに、自然から得たものは、巡り巡って自然に帰るという、自然のサイクルについても学んでいるわ。だから、うちの子どもたちは、「何でキャベツが食べられないの?」なんてダダをこねることもないわ。キャベツが採れる時期でなければ、キャベツは食べられない。子どもも「待つ」ことを学ばないと。ものができるには過程があるのだから。

──親の立場だとつい子どもを甘やかしてしまいがちですが、お子さんがわがままを言って「あれが欲しい」「これが欲しい」とダダをこねたときはどうされるんですか?

もちろん子どもなのでおもちゃなどを欲しがるのは当然のこと。でも、息子にはこう言って聞かせるの。「聞いて。たくさんおもちゃを欲しがっているけれど、これは最終的に全部、捨てられて焼却場や埋め立て地に行ってしまうの。もし使い終わったものを寄付したとしても、最後はどこに行くのかな? 一度作られたものは、簡単に消えてしまわない。どこかに行くわけだから、きちんと考えないとダメよ」って。それを聞いた息子は7歳のときに考えを変えて、誕生日プレゼントを受け取らないと決めたの。

──その話だけで考えを変えられたのですか?

実は私は旅から戻ったときは必ず、旅先で学んだことを子どもに伝えるようにしているの。そして息子が7歳のとき、アフリカから帰国した私は、現地で見た親を亡くした子象の写真を子どもたちに見せたの。そして、「この子たちのお母さんは、象牙を狙うハンターに殺されてしまったのよ」という話をしたら、息子は涙を流して誕生日はやめにすると言い出したの。「お母さん、僕はもう、お誕生日プレゼントを受け取らないよ。だってもらったものって、結局は海や埋め立て地に捨てられるんだから」って。息子が自分の意志でそう決めたの。「お友だち全員に、僕が象たちを助けるお手伝いをしてほしい」って。そこで、彼の誕生日会の招待状にはこう書いたわ。「僕にプレゼントを持って来たい人は、その必要はありません。象を助ける活動に賛成する人は、この財団に寄付をしてください」ってね。子どもは大人の姿をお手本にするわけだから、私たち大人世代の行動が大事なのよ。

──素晴らしいですね。子どもでプレゼントはいらないと言える子はなかなかいないように思います。

でも、子どもにはちゃんと教えてあげないとダメ。私は子どもたちを寝かしつけるとき、必ずお話をするの。例えばドキュメンタリーの撮影のため、10日間アマゾンで過ごした後には、子どもたちに「世界ではこんなことが起きている。人間はこんなことをしているのよ。鉱石採掘のために森を燃やしているの」って。すると、「お母さん、そんなことがあるんだね」って子どもも学んでくれる。子どもってとても頭がいいし、実際に私の方が彼らから色々と教わり学んでいるから、私は彼らには大人と同じ口調で話しているし、あらゆることを隠さずに伝えている。プラスチックゴミが、動物のお腹の中で見つかった写真も見せてあげたら、きちんと現実を理解したわ。そうすることで、子どもたちも理解をしてよりよい選択ができるようになる。私が決めているわけじゃないの。ただ子どもたちを教育しているだけ。だから私の息子は、きちんと自分で決められる子になったのよ。「これが今の現実。これからはあなたの選択よ」って。

──ジェンダーの平等についても関心をお持ちですよね。

2018年にリリースしたウェルネス本『Lessons: My Path to a Meaningful Lifes』の中でも、この件について触れているわ。なぜなら最初に言ったように、我が家には男の子が2人、女の子が1人いるから。著書の中では女性性と男性性についても話題にしたわ。結局のところ、私たちはみんな、魂だと思うから。

──魂ですか?

そう、魂よ。人は心と体でできているでしょう? その体の中にあるものが魂で、男性か女性かなんて関係ない。私たち人間はジェンダーが女か男かにかかわらず、男性性と女性性の両方を持っているの。2つの異なるエネルギーを体内に抱えているわけ。そのことを認めて自分の2つの面を受け入れないと、完全な人間になれないの。半分しかないわけだから。だから、男性と女性の両面があることを認めて、どちらも養うことが大事だと私は信じている。男性的なエネルギーの最高の形が「力」で、女性の最大のエネルギーは「愛」だと思う。力と愛がひとつになれば、これ以上強力で美しい組み合わせはないわ。男性でも女性でも、あなたの本質は魂なのだから。私はいつも、人間は魂を持った存在だと訴えてきたわ。

女性の教育の重要さを訴える活動をしているジゼル。女の子だってなりたいものになれるのよ、と力強いコメントもインスタで添えている。 Photo: Instagram/@gisele/Gisele Bündchen

──最後にあなたの今の夢は?

私は今地球の再生に情熱を傾けている。今後はそこに力を入れるわ。今までも活動はしていたけれど、ようやくそれだけに集中できるようになった。今の私には、2つの大事な取り組むべきことがあるの。1つは子どもたちと家族、そしてもう1つは地球の再生ね。だから、私の本の利益は100%、植林事業に充てられているわ。我々は一線を越えてしまった、地球を再生しなければという思いが強いの。再生に取り組まなければ、大変なことになってしまうから。

美しい自然をバックに。自身を楽観主義と語りつつも、今の地球環境に目を背けずに、子供たちへよりよいものを残そうとする姿勢が素晴らしい。 Photo: Instagram/@gisele/Gisele Bündchen

PROFILE
ジゼル・ブンチェン (GISELE BÜNDCHEN)
1980年ブラジル生まれ。14歳でモデルデビューをし、17歳で大ブレイク。世界で最も稼ぐモデルとなる。2015年にランウェイを引退。現在は夫と二人の子どもともに米ボストンに住み、ビジネスウーマン、国連環境計画親善大使、環境活動家としても活動している。ディオールのスキンケアライン「カプチュール トータル」のミューズを務める。

Text: Rieko Shibazaki Interview & Edit: Kyoko Muramatsu

Let's block ads! (Why?)



"生活" - Google ニュース
February 27, 2020 at 10:01AM
https://ift.tt/395aHJU

ジゼル・ブンチェン流、サステナビリティのある生活。 - VOGUE JAPAN
"生活" - Google ニュース
https://ift.tt/2P0y0Nv
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

Bagikan Berita Ini

Related Posts :

0 Response to "ジゼル・ブンチェン流、サステナビリティのある生活。 - VOGUE JAPAN"

Post a Comment

Powered by Blogger.