手洗い困難、生活変化に動揺…コロナから障害者どう守る - 朝日新聞デジタル

　新型コロナウイルスの感染拡大は、予期しない日常の変化に不安を感じやすい障害のある人や、暮らしを支える支援者らにも大きな影響を及ぼしています。感染リスクを下げる対策と、生活を守り社会参加を実現する居場所の確保を模索する福祉現場を訪ね、専門家にもどうすればいいかを聞きました。

自衛策、容易でない人も

　埼玉県の川口市にある「みぬま福祉会」は3月2日から、通所施設6カ所に通う約150人のうち約60人が交代で自宅待機、入所施設3カ所で暮らす計約130人のうち約40人も、交代で一時帰宅をしている。

　利用者の中には、身体障害があって手を洗うのが難しかったり、知的障害があってマスクをなぜ着けなければならないかを理解しづらかったりする人もいる。障害のない人のように、自分で予防するのは容易ではないという。

　糖尿病など基礎疾患があり、感染すれば重症化するリスクが高い人も。密集のリスクを避ける帰宅策だが、職員不足のなかで少しでも手厚い介護をするためでもある。

　当初は2週間の予定だったが、感染拡大に伴い延長せざるを得なくなった。必要な人には、職員が自宅に行き、リハビリなどにあたるが「自宅で介護する家族も限界になっている」と高橋孝雄理事長（65）。

　「仲間も職員もいつ集団感染が起きても不思議ではないという不安と緊張の中にいる。もともと職員が不足しているうえに感染者が出れば支援崩壊につながりかねない」

　様々な社会活動の停滞は、障害者が働く現場も直撃している。

作業所のパン売り先も激減

　緊急事態宣言が出された4月7日、埼玉県内にある「きりしき共同作業所」（さいたま市）は、検温や換気、消毒の回数を増やし、感染防止対策を強めた。だが感染リスクと並んで心配なのは、パンの販売先の激減だ。

拡大するきりしき共同作業所で、パンをつくる精神障害のある男性（右）と支援員=さいたま市

　年間の売り上げは約2200万…

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April 12, 2020 at 02:22PM
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