新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために政府が掲げる「新しい生活様式」によって、お年寄りの心身の活力が低下する「フレイル(虚弱)」や要介護度が進むことが心配されている。外出の自粛や人との接触を控える生活が長引き、体を動かしたり、人と会話したりする機会が減るからだ。直接感染していなくても、高齢者の心身の健康に影響を及ぼす「二次被害」が増えかねない。
拡大する新潟県見附市が実施したオンライン運動教室=2020年4月23日、同市提供
デイケア休業、体力に衰え
千葉県の男性(80)は5月初旬、妻(73)に「足が思うように動かない」と話すようになった。男性が通うデイケアサービスは4月初旬から自主休業している。同じ建物にある介護老人保健施設で新型コロナウイルスの集団感染が発生したためだ。階段の上り下りの自主練習を増やして筋力維持の努力を続けたが、衰えを防げなかった。訪問診療の医師と相談し、リハビリのために入院を決めた。
男性は10年以上前に脳内出血を起こし、半身まひが残る。週2回、デイケアに通うなどして懸命にリハビリし、団地の3階にある自宅に階段で1人で上り下りできるまでに回復。要介護度も当初の4から3に改善していたところだった。男性の妻は「夫はコロナの余波を受けてしまった」と話す。
感染避け利用控える動きも
新しい生活様式が「3密」回避…
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June 04, 2020 at 04:08AM
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