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雇い止め・生活困窮 田村副委員長の質問/参院決算委 - しんぶん赤旗

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2020年6月16日(火)

参院決算委

 日本共産党の田村智子副委員長は15日の参院決算委員会で、新型コロナウイルスの影響で広がる解雇・雇い止めや生活困窮への政府の対応を正面からただしました。

田村氏「雇調金・支援金周知を」

首相「活用して雇用守ってほしい」

写真

(写真)質問する田村智子副委員長(右)=15日、参院決算委

 田村氏は、「新型コロナウイルスの影響で解雇・雇い止めが増え続けており、どうやって雇用を守るのかが切迫して問われている」と指摘。「5月の休業者652万人が失業者に転じてしまうのか、契約社員・派遣社員が大勢切られてしまうのかの瀬戸際にある。首相が経済界に雇用を守るよう強力に要請するべきだ」と迫りました。

 安倍晋三首相は「雇用を守ることが政治の最大の責任だ。雇用調整助成金(雇調金)等を活用して雇用を守ってほしいとお願いし、労働者が申請できる新たな制度(休業支援金)もつくった。多くの人に利用してもらいたい」と答えました。

 政府は第2次補正予算で、雇調金の月額上限を33万円に引き上げ、事業主から休業手当の支払いを受けられない中小企業の労働者に賃金の8割(月最大33万円)を給付する休業支援金を新設しました。

 田村氏は、月ごとに勤務時間や日数が決まるシフト制のアルバイトも支援金の対象になるか確認。厚生労働省の小林洋司職業安定局長は「対象になる」と述べました。

 田村氏は、3カ月などの短期契約を繰り返して働く派遣労働者についても、雇調金や支援金の対象から漏れることがあってはならないと強調。6月末に契約更新を迎える派遣労働者が多く、「契約が更新されず、次の派遣先がない場合、派遣会社は雇用契約がないからと休業手当も払わず、収入が絶たれる恐れが強い」として、「国会を延長し、雇調金や支援金の活用状況や派遣・契約社員の雇用実態をつかみ、議論するべきだ」と迫りました。

 加藤勝信厚労相は、5月末に派遣の業界団体に対し、派遣先企業への契約継続の働きかけや、派遣元が雇用を継続し雇調金等を活用することなどを要請したと説明。「労働局で雇調金を使うよう働きかけた結果、(雇用を)継続する考えを示したところもある。そうした方向が広がるよう努力したい」と応じました。

 田村氏は「派遣会社への通知だけでなく、労働者に対しても『辞めさせられない道がある』『休業手当を受け取る権利がある』と知らせてほしい」と強く求めました。

田村氏「生活保護は権利と呼びかけを」

首相「文化的な生活送る権利ある。ためらわず申請を」

 「“生活保護はあなたの権利です”と、この場で呼びかけてほしい」―。コロナ禍で生活困窮に陥った人が、生活保護申請を諦めることがないよう迫った田村氏に、与党席からも拍手が起きました。安倍首相は「文化的な生活を送る権利がある。ためらわずに申請していただきたい」と答弁しました。

 「所持金40円」「住むところもない」―。貧困問題にとりくむ団体の支援活動に、SOSが相次いでいます。

 「リーマン・ショック等の経験を踏まえても住居の確保は非常に大事。しっかりと応援していく」と述べた加藤厚労相に対し、田村氏は、住まいを失った人に劣悪な無料低額宿泊所への入居を強制するなど自治体での不適切な対応が多発していると指摘。まず公営住宅など安全な住居の確保が必要だと求めました。

 さらに、生活保護を申請させない“水際作戦”も相次いでいると指摘。収入が激減した漁業者が「漁船を売れば20万円になる。生活保護は無理」と言われた事例や「自宅を売れば生活できる」と追い返された事例を示し、「住まいや働くすべを失わせるのが保護行政なのか。コロナの影響から少しでも早く立ち直るために、自立のための能力をそぐような対応は改めるべきだ」と迫りました。

 加藤厚労相は、自立を助ける観点から、家屋や通勤用自動車など「適切に活用できる資産は保有を認めている」として、柔軟な対応を徹底すると述べました。

 田村氏は、保護申請者を厄介者扱いする対応の根っこには、行政が「生活保護は権利」の認識を養わないどころか、一部政党が侮蔑や敵意をあおってきたことがあると指摘。ドイツでは「誰一人として、最低生活以下に陥ることがあってはならない」と、新型コロナ対応で120万人の生活保護利用を見込んでいると述べ、「生活保護は権利だと呼びかけてほしい」と求めました。

 安倍首相は「生活保護に攻撃的な言質をろうしているのは、自民党ではない」などと答弁。田村氏は、民主党政権時代に生活保護受給者を増やした際、攻撃したのが自民党だったと指摘しました。

 田村氏は、長野県ではパンフレットで「生活が立ち行かなくなることは、誰にでも起こりうること」「憲法第25条の生存権の理念に基づく最後のセーフティネットが生活保護」などと分かりやすく市民に伝えていると紹介。「生活保護はあなたの権利、ためらわず申請してほしいと政府が国民に広報を」と重ねて求めました。安倍首相は「文化的な生活を送る権利がある」「さまざまな手段を活用して働きかけを行う」と述べました。



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