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迂回路 生活の行き来再び 孤立解消 土砂崩落発生の喬木・大島地区 - 信濃毎日新聞

 孤立状態だった喬木村大島地区で17日、住民らの車両に限って通行できるようになった。12日早朝に崩落が見つかった同村加々須(かかす)の県道大島阿島線の現場では加々須川を渡る迂回(うかい)路が整備され、早速車両が行き交った。県道の本復旧の見通しは立っていないものの、5日ぶりに孤立が解消され、農作物の出荷や買い物などに出掛けていた。

 迂回路は午前6時に開通。住民たちが軽トラックや軽乗用車などで次々に通行した。迂回路は道幅が狭いところで約2メートル。互いに譲り合いながら慎重に利用した。この日は午前6時から2時間、正午と午後5時半からそれぞれ1時間ずつ、通行可能となった。

 「通れなくて大変だったので本当に助かる」。午前7時半ごろ、ブルーベリーの出荷のため軽乗用車で通った大島地区の農業佐々木誠次さん(73)は安堵(あんど)の表情を浮かべた。「工事も必要だから仕方がない。通れる時間があるだけでもありがたい」と話した。朝からブルーベリーの収穫作業をした同地区の小椋金次さん(89)は「雨が降り続いたら(ブルーベリーは)おしまい」と心配していた。

 この日は村社会福祉協議会や郵便局、電力会社の関係者らも迂回路を利用。県飯田建設事務所の職員は迂回路の周辺で、雨量や加々須川の水量を調査していた。水道関係の仕事をする同地区の男性(70)は買い物や仕事に行けることを喜びつつ、「雨がひどくなると不安。まだ安心しきれない」と空を見上げた。

 高森町下市場の筒井久明さん(62)は同地区で1人暮らしをする父和一さん(88)の様子を見に行くため、正午すぎに迂回路を通った。食料の残りが1、2日分まで減ったと電話で聞き、1週間分の食材を届けた。「早く道を通してくれたおかげで久しぶりに会える」と笑顔を見せた。

 県飯田建設事務所によると、当面は平日と土曜日の同時間帯に制限付きで通行を認める。日曜日や、河川の水量が増えるなど安全に問題がある場合は通行止めにする。(森優斗、神頭和希)

(7月18日)

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July 18, 2020 at 07:03AM
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