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<ふくしまの10年・雪が落とした災い>(2)長い避難生活 予想せず - 東京新聞

2011年3月16日朝、村内は一面の雪景色に。この雪こそが放射能汚染をもたらした=飯舘村で(伊藤延由さん提供)

2011年3月16日朝、村内は一面の雪景色に。この雪こそが放射能汚染をもたらした=飯舘村で(伊藤延由さん提供)

 「おー、随分と積もったなあ」。二〇一一年三月十六日朝、飯舘村小宮地区の農業研修所「いいたてふぁーむ」の管理人、伊藤延由(のぶよし)さん(76)は一面の銀世界に思わずシャッターを切った。

 東京電力福島第一原発では1、3号機で水素爆発が起きるなど事態が深刻化しているのは知っていた。雪を見ても「放射能が含まれていないといいが」くらいにしか思っていなかった。

 そのことよりも、村には東隣の南相馬市などから大勢の人が避難してきている。車のガソリンは残り少なくなってきたが、避難所に研修所の毛布を届けるなどやるべきことはたくさんあった。路面には十センチほど雪が積もり、除雪を待つ必要があった。何時ごろから車を走らせられるかを気にしていた。昼間は吹雪となったが、その中を物資を積んで走り回った。

 伊藤さんは新潟県の出身。母親の介護を終え、勤めていたIT企業の社長に誘われ、同社が飯舘村に開設した農業研修所の管理人として移住した。新潟県では、一九八〇年代まで旧ソ連などによる核実験で放射性物質が降ることがあり、「線量計で計測して一喜一憂していた」という。

 そんな経験をもつ伊藤さんでさえ、前夜から降り積もった雪の中に、福島第一原発から放出された膨大な放射性物質が含まれているとは思わなかった。楽しくて仕方なかった研修所の仕事を奪われ、長い避難生活を強いられるとは予想だにしていなかった。

 ◇ご意見はfukushima10@tokyo-np.co.jpへ

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