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雇用支援の延長 生活基盤の維持へ最善尽くせ - 読売新聞

 新型コロナウイルスの流行が長引き、雇用への不安が増している。国民生活の基盤となる雇用を守るため、政府は最善を尽くすべきだ。

 従業員に休業手当を出した企業を支援する「雇用調整助成金」について、政府は9月末としていた特例措置の期限を12月末まで延長すると決定した。

 売上高の減少幅などの適用条件を緩和したほか、上限額を1日1万5000円に増額している。

 新型コロナの感染拡大は収束せず、飲食業や観光業を中心に苦境にあえぐ企業は多い。

 全国の居酒屋の7月の売上高は、前年同月比で半減した。政府の観光支援策「Go To トラベル」事業が始まったものの、ホテルや旅館などの延べ宿泊者数は前年同月の半分程度だ。

 雇用への打撃を抑えるため、特例を延長するのは妥当である。

 雇用調整助成金は手続きが煩雑で、当初は利用が伸び悩んだ。申請項目の簡素化などが行われたことで、8月末までに約90万件、計1兆円強の支給が決まった。

 7月の完全失業率は、2・9%と欧米より低水準にとどまっている。5%を超えたリーマン・ショック後と比べても低い。

 助成金が一定の効果を上げたと言えよう。一層の円滑な支払いに努めてもらいたい。

 特例による拡充分は、中小企業向けは国費で、大企業向けは雇用保険関連の積立金で賄っている。特例措置が続けば、積立金が足りなくなる恐れがあるという。

 政府は、国費の投入や保険料引き上げなど、追加財源の備えについても検討する必要があろう。

 懸念されるのは、特例が延長されても耐えきれず、リストラに踏み切る企業が相次ぐことだ。助成を受けた大手居酒屋チェーンでも8月、正社員の1割程度の希望退職を募集するところがあった。

 失業率は、景気の動きより遅れる指標とされる。政府は先行きを注視せねばならない。

 企業の自助努力も不可欠だ。ある大手飲食業では、社員を雇用したまま別企業のスーパーに派遣している。旅館の従業員が地域の農業に従事する取り組みもある。

 コロナ禍の中でも、介護や物流などでは人手が足りない。こうした分野の待遇改善を進めるとともに、職を失った人の受け入れを進められるよう、業種を超えた協力に知恵を絞ってほしい。

 長期的にはITといった成長分野に人材が移れるよう、職業訓練を強化することが重要だ。

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September 03, 2020 at 03:00AM
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