25日の米株式相場は下落。ファースト・リパブリック・バンクの期待外れな決算や資産売却の可能性を受けて、銀行危機はまだ収まっていないとの懸念が再燃した。
株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500種株価指数 | 4071.63 | -65.41 | -1.58% |
ダウ工業株30種平均 | 33530.83 | -344.57 | -1.02% |
ナスダック総合指数 | 11799.16 | -238.04 | -1.98% |
ファースト・リパブリックは49%急落し、上場来安値を更新。1-3月(第1四半期)に予想を上回る預金流出となった同行は、保有する長期証券など500億-1000億ドル(約6兆7000億-13兆4000億円)相当の資産売却を模索していると、ブルームバーグ・ニュースは報じた。
ファースト・リパブリック、最大1000億ドルの資産売却検討-関係者
投資家は景気の現状に関する手掛かりを求めて、一連の企業決算を精査。 業績が期待に届かなかったUBSグループも安い。一方、ゼネラル・モーターズ(GM)やペプシコの決算は予想を上回った。
RBCウェルス・マネジメントのバイスプレジデント兼ポートフォリオアナリスト、ケリー・ボグダノバ氏は「新型コロナウイルス関連の刺激策による高揚状態は終わった。企業は一連の大幅利上げで一段と厳しくなった経済環境と向き合わなくてはならない」と指摘。「業績リセッションがまさに始まりつつあるというのが当社の見方だ」と述べた。
通常取引終了後の時間外取引では、マイクロソフトやグーグル親会社のアルファベットが上昇。引け後に発表した決算が予想を上回った。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は来週の会合で0.25ポイントの利上げを実施すると依然予想されているが、1年に及ぶ積極的な金融引き締めで米経済失速の兆候は増えている。4月の米消費者信頼感指数は、昨年7月以来の低水準になった。
米消費者信頼感指数、昨年7月以来の低水準-見通しが悪化 (1)
米国債
米国債は上昇。安全性を求める動きが強まり、2年債利回りは4%を割り込んだほか、10年債利回りは200日移動平均線を大きく下回った。債務上限を巡る懸念も米国債への逃避を誘発した。
市場では米政策金利が6月にピークを付け、年末までに4.5%を下回る水準に引き下げられるとの見方が織り込まれている。
国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 3.65% | -5.9 | -1.58% |
米10年債利回り | 3.40% | -9.4 | -2.70% |
米2年債利回り | 3.95% | -13.6 | -3.32% |
米東部時間 | 16時51分 |
ミラー・タバクのチーフ市場ストラテジスト、マット・メイリー氏は「投資家はもっと常識を踏まえて、今年の経済ソフトランディングは夢想だとの現実にポートフォリオを調整する必要がある」とリポートで指摘。
特にファースト・リパブリックやUBSの決算で信用逼迫(ひっぱく)の兆候が見られる中、リセッションは近いとの見方が強まりつつあるとし、「現実の信用収縮がリセッションを招かなかった最後の例はいつだっただろうか。そのような例は一度もないというのが答えだ」と記した。
外為
外国為替市場ではドル指数が4営業日ぶりに上昇。米株式相場の下落や米消費者信頼感の低下が背景。円も逃避需要で買われ、対ドルでは一時0.7%高の1ドル=133円37銭を付けた。
為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
ブルームバーグ・ドル指数 | 1228.38 | 5.40 | 0.44% |
ドル/円 | ¥133.71 | -¥0.53 | -0.39% |
ユーロ/ドル | $1.0975 | -$0.71 | -0.64% |
米東部時間 | 16時51分 |
ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨戦略担当グローバル責任者ウィン・シン氏は「ファースト・リパブリックの業績に関する電話会議は悲惨で、リスクオフの衝動を再び引き起こした」と述べた。
原油
ニューヨーク原油先物相場は反落。一部企業の決算が精彩を欠いたことや米消費者信頼感指数の低下を受け、金融市場全般が軟調となる中で原油も売られた。
CIBCプライベート・ウェルスのシニア・エネルギー・トレーダー、レベッカ・バビン氏は「原油市場は様子見モードだ。実需の投資家ではなく、短期ストラテジーの投資家がトレーディングの中心になっている」と指摘。「中長期スタンスの投資家は、中国の景気回復と米景気後退を巡る状況が明確になるまで、本格的な取引を行わないだろう」と述べた。企業決算発表が続く中で、投資家の関心が他の資産クラスに向いている可能性があるとの見方も示した。
ニューヨーク商品取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物6月限は、前日比1.69ドル(2.2%)安の1バレル=77.07ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント6月限は1.96ドル下落し、80.77ドル。
金
ニューヨーク金相場は続伸。米金融政策の行方を占う経済指標の発表が相次ぐのを前に、小幅に上昇した。
ジュリアス・ベア・グループのアナリスト、カーステン・メンケ氏は「金融危機への不安が薄れているほか、米経済の堅調ぶりを反映して米当局が金融政策を急転換させるとの見方も後退した」とリポートで指摘。「オンス当たり2000ドル以上という価格は、米国が全般的かつ長期にわたるリセッション(景気後退)に陥った場合にのみ正当化される」と記した。
金スポット価格はニューヨーク時間午後3時5分現在、0.4%高の1997.90ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は前日比4.70ドル(0.2%)高の1オンス=2004.50ドルで引けた。
原題: Stocks, Bond Yields Sink as Bank Worries Persist: Markets Wrap(抜粋)
Treasuries Surge, Stocks Slide on Lingering Bank Sector Concerns(抜粋)
Dollar, Yen Rise on Poor Risk Sentiment, Stock Drop: Inside G-10(抜粋)
Oil Falls as Cloudy Outlook Heightens Risk-Off Sentiment(抜粋)
Gold Steadies as Traders Await US Data for Rate-Direction Clues(抜粋)
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