野村ＨＤ株が7.9％安、１ー３月決算はネガティブ－株主還元も見劣り - ブルームバーグ

野村ホールディングス（ＨＤ）の株価が売り気配で始まり、一時前日比8.3％安の480円と2021年３月以来の日中下落率を付けた。午前10時55分時点でＴＯＰＩＸ構成銘柄のうち下落率５位と大幅安となっている。

26日に発表した2023年１－３月期（第４四半期）の連結純利益は前年同期比76％減の74億円と市場の事前予想385億円を大きく下回ったことが嫌気されている。金融不祥事を巡り、同社のフランクフルトオフィスがドイツの検察当局による捜索を受けていることも明らかになった。

　　ジェフリーズ証券の伴英康アナリストは第４四半期決算は自己資本利益率（ＲＯＥ）や１株当たり純利益（ＥＰＳ）は予想を大きく下回り、「ネガティブ」とみる。

米投資銀行の決算などを背景に市場のコンセンサスは高いところにあったものの、実際の数字は乖離（かいり）があったと説明。市場環境が混乱する中、競合に対して野村ＨＤの強みは発揮できないという見方になっており、先々の収益回復の道筋は見えにくく、「いったん手放そうという投資家が出ているのではないか」と話した。

三菱ＵＦＪモルガン・スタンレー証券の辻野菜摘シニアアナリストも26日付のリポートで「ネガティブ」との見方を示し、目標株価を610円から590円に引き下げた。配当方針や総還元方針の変更を発表したが、金融セクターでは見劣りするとした。

　　また、いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、米国で金融不安が続く中、同国の景況感は今後さらに悪くなるという見込みもあるとして、マーケットを収益源の基盤とする野村ＨＤの今期（2024年３月期）業績への不透明感は一段と増す可能性があるみる。

その上で、直近で株価が上昇していたこともあり「利益確定売りが出ている」と話した。また、ドイツ検察によるフランクフルト拠点への捜索は、どれだけ影響があるのか不透明で、現時点では決算の影響の方が大きいようだとの見方も示した。