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東洋建設株主提案の取締役が過半に 総会で7人選任 - 日本経済新聞

東洋建設が27日開いた定時株主総会で、大株主である任天堂創業家の資産運用会社「ヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス(YFO)」が提案していた取締役候補9人のうち7人が賛成多数で可決され選任された。会社側が提案していた11人は6人が選任された。取締役は計13人で株主が提案した取締役が上回ることになる。株主提案の取締役が過半を占めるのは珍しい。

YFOは東洋建にTOB(株式公開買い付け)を提案しており、新体制で検討が進む可能性がでてきた。

総会は東京都千代田区の本社で開いた。会社提案と株主提案合わせて9つの議案を諮った。取締役選任ではYFOが提案した9人のうち、業務執行にあたる社内取締役2人を含め7人が可決、選任された。株主が提案された社内取締役候補が選任されるのも異例だ。

会社側は11人を提案していたが、選任されたのは新社長候補としていた大林東寿氏を含め6人にとどまった。

東洋建を巡ってはYFOが22年5月、友好的な協議を前提として1株1000円でのTOBを正式提案した。東洋建側が賛同せず、TOBは実施できていない。

YFO側は23年1月、定時株主総会で武沢恭司社長ら3人の取締役選任に反対することを表明。4月には社内取締役を含めた9人の取締役選任を株主提案した。東洋建側は5月、武沢氏ら4人が取締役を退任し、武沢氏の後任に大林氏が昇格する人事案を発表。取締役候補の過半を社外とするなど、ガバナンス強化の姿勢を打ち出していた。

東洋建は27日、「本日の採決の結果は株主の判断で、尊重して受け入れる」とコメントした。

株主総会は午前10時から開かれ、前年より2人多い31人の株主が出席した。開催時間は集計も含めて約2時間と、22分だった前年から大幅に伸びた。総会に参加した都内在住の個人投資家(60)は「改革が必要だと感じた」とし、会社側が提案した取締役候補案にはすべて反対し、YFO側が提案した取締役に賛成した。会社側の候補全員と、YFO側社外取締役候補全員に賛成したという個人投資家(49)は「会社の戦略に賛成も反対もしないが、外部の目線を入れることは重要だと思う」と語った。

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