中国の習近平指導部は11、12両日に2024年の経済運営方針を決める中央経済工作会議を開き、産業政策を経済の最優先課題とする方針を示した。大型の景気刺激策を見込んでいた投資家にとっては期待外れとなりそうだ。
国営メディアが報じた声明によると、中央経済工作会議は「現代産業システムの構築を主導する技術革新」の活用を強調。また、デジタル経済と人工知能(AI)を「力強く」発展させるための措置も呼びかけた。
同会議では、個人消費を後押しする取り組みよりも高付加価値製品を生み出す企業の支援に重点が置かれており、一部のエコノミストにとって懸念材料になる。
スタンダードチャータードの大中華圏・北アジア担当チーフエコノミスト、丁爽氏は今回の中央経済工作会議では以前よりも「技術的な自立が重要である」ことが示されたとし、「大規模な景気刺激策の兆候は見られない」と語る。
China Seen Setting 2024 Growth Target at Around 5%
Goal tipped by some economists would need more policy support than 2023 to attain
Source: Bloomberg-compiled data
中国経済は今年、不動産危機や低調な労働市場に見舞われ、内需の伸び悩みが景気の大きな足かせとなった。
中央経済工作会議は「穏健な」金融政策を維持するとともに、財政政策を「適度に強化」すると指摘。成長重視スタンスと解釈された8日の共産党中央政治局会議と同様の方針が示された。
中国が財政政策強化の方針、景気回復支援へ-共産党中央政治局会議
政治局会議では経済の「進歩」の重要性が強調され、政府は来年の国内総生産(GDP)成長率目標を今年と同じく5%前後に設定するとの見方が広がっている。厳格な新型コロナウイルス対策撤廃後の消費回復はほぼ一巡したため、24年の目標が前年並みとなれば、その分野心的と考えられる。
シティグループの余向栄氏らエコノミストチームはリポートで、今回の中央経済工作会議について、「中国経済の回復に向けて循環的な措置よりも構造改革に軸足を置く」というのが全体的なメッセージだと分析した。
また、中国当局は信用の拡大ペースについて、GDPとインフレ率の両目標と足並みをそろえるべきだと指摘。物価が伸び悩んでおり、今年は実質金利が上昇した。エコノミストらはこれが来年の金融緩和を示唆しているとの見方を示す。
マッコーリー・グループの中国経済責任者、胡偉俊氏はリポートで、「デフレリスクを受けて金融政策はより緩和方向となる可能性がある」とし、向こう1年で追加利下げや一段の預金準備率引き下げが実施されることを暗示していると記した。
China's Borrowing Costs Rise in Real Terms
Consumer, factory prices falling faster than nominal lending rates
Source: People's Bank of China, National Bureau of Statistics, Bloomberg
中国経済は5%前後という今年の保守的な成長率目標を達成する見通しだが、中央経済工作会議は信頼感を底上げし、若者の高失業率や根強い不動産危機など主要課題にも対処する必要性を認めた。
指導部は不動産開発企業の合理的な資金調達ニーズを満たすとともに、「重点グループ」の雇用の安定を確保し、十分な流動性を維持する方針を示した。住宅に関する文言は従来声明と変わらず、低所得世帯向け「保障性住宅」の建設加速が強調された。
習国家主席は工作会議の最終日に隣国ベトナム訪問を開始。公開スケジュールによれば、習主席が同会議の期間中に外遊するのは初めて。
China Has Rarely Exceeded 3% Deficit Limit
Headline deficit sets the tone for government spending
Source: China government budget reports
原題: China Puts Focus on Industrial Policy, Skips Big Demand Stimulus(抜粋)
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