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アングル:新NISAの円売り、1月月間で8000億円超の試算 短期筋も追随 - ロイター (Reuters Japan)

[東京 2日 ロイター] - 外為市場では、新NISA(少額投資非課税制度)を巡る円売り需要が息の長い取引テーマになりそうだ。同制度を使った外国株投資に伴う円売りが1月月間で8000億円超に上ったとの推計も出てきた。

新制度の始まりとあって金額が膨らんだ可能性もある。ただ、仮にこの勢いが続いたとすれば、年間の円売り規模は10兆円近くと、昨年1年間の貿易赤字に匹敵する大きさとなり、短期的な利益を狙う国内外の投資家の材料にもされやすい。

<人気外国株ファンド、資金流入2.5倍に>

ふくおかフィナンシャルグループのチーフ・ストラテジスト、佐々木融氏が新NISAで人気の高い外国株投信(為替ヘッジなし)の25ファンドへの新規資金流入状況を調べたところ、1月月間の流入額は差し引きで合計8200億円だった。

新NISA開始前、昨年12月月間の同25ファンドへの流入額は合計3200億円のため、制度開始後ひと月で2.5倍に増えたことになる。

日本では、家計の金融資産に占める株式や投資信託の比率が2割にも満たない状況が常態化している。そのため市場では、新制度が施行されても「高リスクの外国株投資が急増するようなことにはなりづらい」(外銀ストラテジスト)との見方が事前には優勢だった。

ところが年明け早々、新NISA対象の人気投信、三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」に1日で1000億円超の資金が流入したことが明らかになると、市場で「新NISAの円売り」が一気に話題となった。

為替市場ではドルが1月2日安値の140円後半から19日には148円後半と、わずか2週間半で8円近くドル高/円安が進行した。新NISAの資金移動やそれを材料にして利益を狙った投資家の取引が一定程度、影響を及ぼした可能性がある。

<国内外で大きな話題、真偽不明のうわさも>

ある外銀関係者は「国内外の短期筋が新NISA人気に乗じて、相次ぎ円売りを仕掛けた」といい、円安圧力をさらに強めた面もあったと話した。

先回りして円を売り仕掛けしようとする向きの間では、ファンドへの資金流入や売買執行のタイミングをめぐって数多くのうわさが駆け巡っている。大手証券のNISA払込日の翌日などが、その候補として取り沙汰されている。

三菱UFJアセットのオールカントリーは、1月末の純資産総額が2兆2768億円となり、このひと月で4000億円超増加した。ふくおかFGの佐々木氏は新NISAについて、財とサービスの貿易赤字、再び増え始めた対外直接投資、増加基調にある第2次所得収支の赤字と並んで「新たな多額の円売り圧力となりつつある」と指摘している。

(基太村真司 編集:橋本浩)

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