【北京=三塚聖平】中国経済を巡る不透明感が払拭できない状況が続いている。株式市場では投資家心理が冷え込み、当局が株価対策に躍起となっている。海外でも、中国の不動産市場の低迷がさらに深刻化することや、国内の需要不足や過剰生産能力を背景とした「デフレ輸出」への懸念が高まっている。
矢継ぎ早な株価対策
上海株式市場の代表的指標である上海総合指数は5日まで6日連続で下落した。この間に2020年3月以来となる安値水準をつけ、10日の春節(旧正月)を控えた個人投資家からは「春節のお祝いムードも吹き飛びそうだ。いつになったら下げ止まるのか」といった悲鳴が上がった。
中国当局は株価対策を矢継ぎ早に打ち出した。中国証券監督管理委員会(証監会)は1月29日、株価下落につながる「空売り」の制限を狙って譲渡制限付き株式の貸し出しを全面的に禁止。今月5日には「悪意のある空売り」の摘発を強化する方針を表明した。さらに、6日には中国政府系投資会社の中央匯金(かいきん)投資が上場投資信託(ETF)への投資拡大を発表し、証監会が機関投資家に株式投資の拡大を求めた。
中国経済を巡っては海外も警戒を増している。国際通貨基金(IMF)は2日発表の中国経済に関する年次報告書で、中国で深刻化している不動産不況に関連し、政府が必要な対策を取らなければ経済成長率が24年に1・0ポイント、25年に0・8ポイントそれぞれ下振れする可能性があると試算した。
過剰在庫で鉄鋼輸出
中国では不動産不況を背景に内需がさえずデフレ懸念がくすぶる中、国内で抱えた過剰な在庫を安価で海外に輸出する動きもある。「デフレ輸出」とも指摘される。中国税関総署によると、中国の23年の鋼材輸出量は前年比36・2%増と大幅に伸びた一方、輸出額は8・3%減と落ち込んだ。
米中両政府は6日まで2日間の日程で経済分野を協議する次官級の作業部会を北京で開催したが、米財務省の発表によると米側は中国の産業政策や過剰生産能力に懸念を表明した。今年11月の米大統領選でトランプ前大統領が勝利すれば、米中対立に火を注ぐ可能性もある。電気自動車(EV)も手頃な価格を武器に欧州などへの輸出を伸ばしており、欧州連合(EU)は中国が不当な補助金を支給した疑いが強いとして中国製電EVに対する相殺関税の導入を視野に調査に着手している。
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