地政学リスクに神経をとがらせる中央銀行関係者は、インフレとの闘いにおいて中東情勢がもたらす潜在的な脅威を改めて思い知らされることになった。
イスラエルが19日に イランを攻撃したと伝わると、原油相場は直後に 急騰。その後は上げを消した。今週ワシントンに集まった金融当局者からは、インフレ再燃につながり得るオイルショックの可能性を警戒しているとの声が相次いでいただけに、まさに当局者の神経を試す展開となった。
シティグループのチーフ・グローバル・エコノミストで、元米財務省当局者のネイサン・シーツ氏は「このようなイベントでは通常、懸念されていたほどの混乱には至らないことが多い」とブルームバーグテレビジョンで発言。「地政学を巡る課題で問題となるのは、何が起こり得るか、テールリスクについて熟考が必要なことだ。そして原油に関する懸念から経済に関する広範な懸念へと移っていく」と述べた。
原油価格の高騰がもたらすリスクの1つは、その影響がガソリン価格の跳ね上がりにとどまらないことだ。連鎖的な影響により、食料品を含め物価全般が押し上げられ、労働者の賃上げ要求が強まるインフレサイクルを再燃しかねない。
原油高は景気拡大にブレーキをかける恐れもある。TSロンバードのエコノミスト陣は、原油が1バレル=100ドルに達した場合の影響を調査したリポートで、この危険性について強調している。
エネルギー価格の変動は特に支出に対して即座に大きな影響をもたらすため成長は一段と脆弱(ぜいじゃく)になるだろうとリポートは指摘。「この点は、個人消費が底堅さを保っている米国よりも欧州の方がより当てはまる。二次的な影響は米国の方が大きいかもしれない」と述べた。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)は今週初め、イスラエルとイランが直接戦火を交えることで原油生産が深刻な打撃を受け、ホルムズ海峡が閉鎖される事態となれば、原油が1バレル=150ドルに達する可能性があると分析した。
フォーダム・グローバル・フォーサイトの創業者、ティナ・フォーダム氏によれば、足元のイランとイスラエルの対立はまだ終わっておらず、事態が悪化する恐れがある。
フォーダム氏はブルームバーグテレビジョンに対し「中東情勢がさらに緊迫するリスクについては、警戒を維持すべきだ」と指摘。「イスラエルは空軍基地に近いイラン領内に攻撃を加える能力があることを示した。これは威嚇射撃であり、ボールはイラン側にある」と述べた。
原題: Oil Tests Central Banker Nerves With Mideast on ‘Knife Edge’ (3)(抜粋)
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