新型コロナウィルスの感染拡大で、身近な生活にも影響が広がっています。今井純子解説委員。
【生活への影響というと、必要なものがいろいろと店から消えていることが困ります】
そうですね。例えば、こちら。
▼ マスクや消毒液に加えて、
▼ 先週末から、トイレットペーパーなどの紙製品。
▼ そして、一部の食料品が品薄になっています。
▼ トイレなどの住宅設備でも納期の遅れがでたりしています。
【いろいろな商品に影響がでているのですね】
いずれも、新型コロナウィルスの影響という点では同じですが、具体的な背景は、それぞれ違います。
まず、マスクや消毒液は、当然ですが、感染を防ぐために使いたいという人が一気に増えたということ。加えて、マスクは、これまでおよそ70%を中国産に頼っていたところ、現地からの輸入が滞ってしまったことも品不足に拍車をかけました。
【トイレットペーパーなどは、間違った情報がきっかけだと言われていますよね】
そうです。「マスクと同じ原料」「中国から輸入できなくなる」といった誤った情報がSNSなどで流れたことで、買いだめをする人が増え、先週末から、店頭で一気に品薄になりました。実際には、ほとんどが国産で、工場などに在庫は十分あります。店にも入ってきています。ただ、それがわかっていても、「買えない状態が続くと困る」という消費者の不安から、店頭に並ぶとすぐに売れてしまう状況が続いているということです。
【食料品も一時、棚から消えたものがありましたよね】
特に、先週末ですね。小学校や中学校の休校、そして在宅勤務で、昼ごはんを自宅で食べる人が増える。さらに、感染を防ぐために外出を控えたい。ということから、簡単に食べられるもの。保存がきくものが非常に売れて、棚から消えたものもありました。
首都圏のある食品スーパーでは、先週土日の売り上げが、一年前のほぼ同じ時期の週末と比べて、1.5倍。特に、コメは3倍あまり。冷凍食品が2倍。カップ麺が1.6倍の売れ行きだったと言います。
【トイレは、なぜ品薄なのですか?】
中国からの部品の調達が難しくなっているからです。このため、受注をストップしたり、納期が未定になったりしているということです。一部、システムキッチンや食器洗い乾燥機でも納期が遅れるケースがでています。春休みを控えて、新居やリフォーム先に予定通りに引っ越しできない人がでてくることが心配されています。
【こうした商品。ないと本当に困ります。今後の見通しはどうなのでしょうか?】
まず、トイレットペーパーなどですが、先ほども言ったように、在庫はあります。また、マスクなどと違って、使う量が増えているわけではありません。
【買いだめをしたら家のなかに山積みになりますよね】
その通りです。かさばることなどから、トラックで大量に運べず、十分に店に供給できない面はあるかもしれません。ドラッグストアの前で開店を待つ行列を見かけたりもします。が、おととい、きのうと、時間や場所によりますが、トイレットペーパーなどを店頭で見かけることもでてきました。改善の方向へ向かいつつあるのではないか?と、期待をこめて、言いたいと思います。
食料品も、棚が徐々に、正常になってきています。
一方、トイレなどについては、中国での生産や輸入がいつ正常化するのか、残念ながら解消のメドは、わからないということです。
【マスクや消毒液はどうなのでしょうか?】
こちらは、より深刻です。マスクは、国内の各メーカーが24時間体制でフル生産をしています。また、生産ラインを増やして布製のマスクを含めて増産することを決めたり、家電メーカーのシャープが今月中旬にも新たにマスクの生産に乗り出したりする動きもでています。政府は、中国から一部再開した輸入もあわせて、今、一カ月で4億5000万枚の供給ができる体制になっているのを、今月中には、6億枚を超える規模に拡大したいとしています。
消毒液も、フル生産体制で、設備を増やすことを検討しているメーカーもあります。
さらに、マスクなどがネット上で高値で転売されるケースが相次いでいることから、政府は、オークションサイトでの出品を自粛するよう求めるとともに、マスクのインターネットでの転売を、罰則付きで禁止する方針です。すみやかに、そして、徹底してほしいと思います。
【こうした対策がとられると、品薄の状態は改善するのでしょうか?】
それが、新型コロナウィルスに加えて、花粉症のシーズンということもあり、使用が増えています。いつ品薄の状態が解消できるかは、いろいろなところに聞いてもまだ「わからない」という状態のようです。
政府は、医療機関などから優先的に出荷している他、企業からマスクを買い取って、感染が広がっている北海道の自治体の住民に配ったりする対策も始めています。こうした対策を進めることで、まずは優先度の高いところからきちんと届くようにしてほしいと思います。
【身近な影響でいうと、あと、営業時間が変わる店がでてきていますね】
はい。お子さんの学校が休みになったために、パートを含めて出勤できない社員が増えたことや、社員やお客さんの間での感染拡大を防ぐためとして、
▼ 店の状況に応じて開店時間を遅くしたり、閉店の時間を早くしたりする動き
▼ そして、臨時の休業日を設ける動きがでています。
また、外食の中には、一時的に
▼ 一部の店でメニューの数を絞るところや
▼ サラダバーなど、ビュッフェスタイルのメニューの提供をやめるところ。
▼ マグカップの使用をやめ、使い捨て容器に切り替えるところもでています。
【デパートやショッピングモールは、すいていますね】
大手デパートの2月の売り上げは、大幅に減りました。
外国人観光客に加えて、国内の消費者の間でも、外出を控える動きが広がっていることが響いているということです。
感染を防ぐために、遠くの大型店から、家の近くのスーパーやコンビニへ。さらに、スーパーが商品を家まで届けてくれるネットスーパーへと消費の動きが変化しているようです。
【ネットスーパーですか?】
はい。いくつかのスーパーに聞いたところ、注文がかなり増えていて、お客さんが希望する配送の日にちや時間帯になかなか応じられない状況もおきているということです。
【外出を控える動きが長引くと、消費が大きく落ちこむのではないか、心配になります】
旅行やイベント、外食、それに、洋服といった不要不急の買い物が落ち込むことで、2月から5月の4か月の間に、消費が通常より5%程度=3兆8000億円程度抑制されるという試算もあります。東日本大震災の時より大きな数字です。
【大きな影響ですね】
まずは、感染の拡大を終息させることが大事なので、仕方がない面はあるとは思います。が、すでに一部で、経営破綻に追い込まれたり、社員の賃金を引き下げたりする企業もでています。事態が長期化すれば、こうした動きが広がり、失業などの心配もでてきます。経済対策で中小零細の事業者を支えるとともに、とにかく一刻も早く事態が終息して、元の生活に戻れるよう願いたいと思います。
(今井 純子 解説委員)
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March 06, 2020 at 10:23AM
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「新型コロナウィルス 身近な生活への影響は?」(くらし 解説) - NHK NEWS WEB
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