新型コロナウイルスに関する政府の緊急事態宣言解除を受けて1日、全国で多くの学校が再開した。愛知県内の公立小中高校は一部自治体を除いて通常授業が始まり、子どもたちが感染対策に気を配りながら久しぶりの給食を味わった。実技教科や部活動も再開。集団感染の不安が拭えないなか、新しい学校生活のスタイルを探っている。
学校が再開し、給食を食べる児童（1日、愛知県岡崎市の市立男川小学校）
マスクをそっと外して「いただきます」――。1日正午すぎ、岡崎市立男川小学校に久々の給食の時間が訪れた。机は互いに向き合わせず、箸やスプーンは家庭から持参した。飛沫を防ぐために子どもたちはおしゃべりを控え、黙々と食事を進める。6年生の河澄蒼さん（11）は「久しぶりに皆でご飯を食べられて楽しいけど、話せないのは少し寂しい」と複雑そうだった。
感染リスクを抑えるため、給食当番はフェースシールドを着け、エプロンも共用ではなく家庭から持参する。配膳を待つ児童は風通しの良い廊下に並んだ。
この日の献立はご飯、豚汁、牛乳と地元名物「いがまんじゅう」の4品。いつもよりも1～2品少ないのは、配膳の時間を短くして密集をなるべく避けるための工夫だという。7月には通常の品数に戻す予定だ。
岡崎市の学校は5月25日に分散登校で再開し、1日から通常授業が始まった。鍋田志郎・市学校給食センター長は「しばらくは寂しい給食になってしまうが、もう少しだと思って辛抱してほしい」と話す。新型コロナで家計が苦しいケースも想定されることから、市は9月まで市立小中学校の給食費を無償にする。
文部科学省は5月、学校再開に向けたマニュアルをまとめ、感染リスクの高い教科は十分対策を取って実施するよう求めている。4日から通常授業が始まる名古屋市では、音楽の合唱や家庭科の調理実習などを2学期以降に回すことを教育委員会が学校に求めた。歌の指導方法として、CDを聴きながら「心の中で歌わせる」ことも挙げている。
先行して分散登校が始まった三重県では1日に部活動が再開した。津市教委は手洗いの徹底に加えて、生徒同士の距離を保って活動するよう要請した。柔道やハンドボールなど、接触の多い競技は個人練習を増やす配慮も求めた。
体が暑さに慣れていない梅雨の前後は熱中症のリスクが高く、長い休校を挟んで再開する部活は特に注意が必要だ。津市教委は練習中の給水時間の確保を呼びかける。
体育の授業も手探りで始まる。朝日町立朝日小学校（同県）は子どもたちの密集が避けられないなどの理由から、プールの授業を取りやめた。球技の試合も取りやめ、陸上競技中心に授業内容を組み替えた。
北九州市では再開後の小学校でクラスター（感染者集団）が発生した。朝日小の荻田直樹校長は「感染リスクは依然高い。油断せず対策を進めたい」と気を引き締めた。
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June 01, 2020 at 04:15PM
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新型コロナ:給食・部活…対策手探り 愛知で新学校生活スタート - 日本経済新聞
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