【NQNニューヨーク=稲場三奈】21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに小幅に反発し、前日比22ドル34セント高の3万3808ドル96セント(速報値)で終えた。2023年1~3月期決算を発表した日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が上げ、ダウ平均を下支えした。もっとも、来週の大手ハイテク企業の決算発表を見極めようと、相場全体は方向感を欠く展開だった。
朝発表の23年1~3月期決算で売上高が市場予想を上回ったP&Gが上昇した。来週はソフトウエアのマイクロソフトやネット検索のアルファベット、ネット通販のアマゾン・ドット・コムといった大手ハイテク企業の決算発表を控える。積極的に持ち高を傾ける動きは限られた。
午前発表の4月の米製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)は50.4と市場予想(49.0)を上回った。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化し景気が悪化するとの懸念が重荷となり、下げる場面もあった。米金利先物の値動きから米金融政策を予想する「フェドウオッチ」によると、5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げを決める確率は21日夕時点で80%台半ばとなっている。
22日からはFRB高官が金融政策に関する公の場での発言を控えるブラックアウト期間に入る。市場では「FRBが0.25%の利上げを決めるとの見方がかなり有力視されており、投資家の関心はFOMC後の動きへと移っている」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との声が聞かれた。
ダウ平均の構成銘柄では製薬のメルクや映画・娯楽のウォルト・ディズニーなどが上昇。一方、化学のダウや航空機のボーイング、建機のキャタピラーなどが下げた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅に反発し、前日比12.898ポイント(0.1%)高の1万2072.456(速報値)で終えた。
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