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【米国市況】S&P500は終値で初の5000超え、強気派に衰え見えず - ブルームバーグ

9日の米株式市場でS&P500種株価指数は4日続伸し、終値で初めて5000の大台を上回った。利下げへの期待感や堅調な企業業績が株価を押し上げている。

株式 終値 前営業日比 変化率
S&P500種株価指数 5026.61 28.70 0.57%
ダウ工業株30種平均 38671.69 -54.64 -0.14%
ナスダック総合指数 15990.66 196.95 1.25%

  経済ソフトランディング(軟着陸)への楽観と人工知能(AI)を巡る高揚感に押され、株式相場は過熱感を巡る慎重論を跳ね返して前進を続けている。

  投資会社サンダース・モリスのジョージ・ボール会長は「S&P500種は米企業の収益力と米経済の力強さに対する信頼度を示す最も優れたバロメーターだ」と指摘。「S&P500種の方向性は、経済と収益が改善しているのか悪化しているのかを反映している」と語った。

  注目される1月米消費者物価指数(CPI)を来週に控える中、労働統計局(BLS)がこの日朝に発表したCPI年次改定では、2023年10-12月(第4四半期)の食品とエネルギーを除いたコア指数と総合指数にほぼ変化がなく、大幅上方修正の可能性に神経をとがらせていた投資家を安心させた。

米CPI年次改定、23年10-12月ほぼ変化なし-FRBに安心材料

S&P 500 Hits 5,000 | Stocks trade at all-time highs

  CIBCプライベート・ウェルスUSのデービッド・ドナベディアン最高投資責任者(CIO)は、ウォール街の強気派の勢いを支えているのは現在の経済状況だと指摘。「市場は米金融当局が救世主になると信じていたが、経済の支えによって救世主は必要ないとの判断に転じている」と語った。

  S&P500種が5000の大台を上回ったことについて、スレートストーン・ウェルスのシニア市場ストラテジスト、ケニー・ポルカリ氏は「我々が日々消化している多くの数字の中の1つに過ぎないと言う人もいるだろうが、この数字は違う」と指摘。「5000は新たなミレニアムを象徴するものであり、さらなる刺激を生み出す。この興奮はまだ少し続くだろう」と述べた。

  決算シーズンは3分の2が終了したが、これまでのところは予想を上回る企業が多い。ブルームバーグ・インテリジェンスが9日朝までにまとめたデータによれば、S&P500種構成企業のうち23年10-12月(第4四半期)業績が市場予想を上回った企業の比率は約80%。過去10年の平均74%を大きく上回る。

  Bライリー・ウェルスのチーフ・マーケットストラテジスト、アーサー・ホーガン氏は「第4四半期決算は予想以上に好調で、健全な経済が企業収益をけん引し続けるという確信を投資家に与えた」と話した。

Earnings Growing at Fastest Clip Since 2022

Source: Bloomberg Intelligence

  一方で米株式相場の過熱に対する警戒感もある。バンク・オブ・アメリカ(BofA)のマイケル・ハートネット氏は、 最高値を更新した米国株の急速な上昇は、幾つかの売りシグナルを誘発しかけていると指摘。同氏がまとめたリポートによれば、BofAが算出する強気・弱気シグナルは7日までの1週間に6.8に上昇。8を上回ると強気トレンドの行き過ぎを示唆し、逆張りの売りシグナルが点灯するという。

米国株の急上昇、売りシグナル誘発近い-BofAのハートネット氏

Overbought Territory

  eToro(イートロ)のオプション投資アナリスト、ブレット・ケンウェル氏は、相場は少し過熱気味だが、道を踏み外しそうになっている訳ではないとみている。「短期的には利益確定売りが出るかもしれないが、これはまだ強気相場だ。経済で重大な弱材料が出るまで、株に弱気になるのは難しい」と語った。

国債

  米国債相場は下落(利回りは上昇)。CPI年次改定の発表直後には上昇する場面もあったが、すぐに反転。2年債利回りは昨年12月の水準に再び戻った。

国債 直近値 前営業日比(bp) 変化率
米30年債利回り 4.37% 2.0 0.46%
米10年債利回り 4.17% 1.9 0.47%
米2年債利回り 4.48% 2.6 0.58%
    米東部時間 16時45分

  アトランタ連銀の ボスティック総裁はこの日、政策当局者らはインフレ率を目標の2%に確実に低下させなければならないと述べ、「針路を維持」する必要性を強調した。

  ダラス連銀の ローガン総裁は、現時点で利下げを実施する緊急性は見当たらないと述べ、米金融当局者には今後発表される経済データを精査する時間があると付け加えた。

外為

  外国為替市場ではドルが軟化。CPI 年次改定で昨年12月のインフレ率が下方修正されたことなどに反応した。主要10通貨ではニュージーランド・ドルの上昇が目立つ。市場では、ニュージーランド準備銀行(中央銀行)による追加利上げの観測が強まっている。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は、週間ベースでは6週連続で上昇。昨年9月以来の長期連続高となった。

為替 直近値 前営業日比 変化率
ブルームバーグ・ドル指数 1242.13 -0.92 -0.07%
ドル/円 ¥149.28 -¥0.04 -0.03%
ユーロ/ドル $1.0786 $0.0008 0.07%
    米東部時間 16時45分

  この日の円相場は、CPI年次改定の発表直後に上振れする場面があったものの、その後は1ドル=149円台前半でもみ合う展開。

  ドイツ銀行は9日の顧客向けリポートで、米国がリセッション(景気後退)に陥らない限り、円が「意味ある形で上昇に転じる」可能性は低いと指摘。外国の債券や株式への資金流出規模が大きいことや、利上げに対する日本銀行の「漸進主義的」なアプローチを理由に挙げた。

円の有意な上昇なさそう、資金流出や漸進的利上げで-ドイツ銀

  一方でウェルズ・ファーゴのマクロ・ストラテジスト、エリック・ネルソン氏は「ドルが持続的に150円を上回って推移するようになるには、非常に強い米経済データがあと2週間は必要になるだろう」と述べた。

原油

  ニューヨーク原油相場は5日続伸。イスラエルとイスラム組織ハマスの休戦への期待が薄れ、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区の南部への軍事侵攻に向けて準備を進めているため、原油の地政学的リスクプレミアムが上昇した。

  ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は1バレル=76ドル近辺で終えた。イスラエルのネタニヤフ首相は休戦の可能性を否定し、100万人余りが避難しているガザ地区南部への軍事侵攻を予告した。軍事的なエスカレーションは、世界の原油産出の約3分の1を占めるこの地域の原油の流れに新たなリスクをもたらした。

  シティー・インデックスのマーケットアナリスト、ファワド・ラザクザダ氏はリポートで「原油価格は依然として中東情勢にかなり敏感で、それ以外はあまり重要でないようだ」と記述。先物の値動きを引き続き荒くしていると指摘した。

Oil Posts Large Weekly Advance | Crude prices supported by tensions in the Middle East

  ニューヨーク商品取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は62セント(0.8%)高の1バレル=76.84ドルで終了。週間では6.3%上昇した。北海ブレント4月限は56セント高の82.19ドル。

  金相場は続落。週間でも下げた。CPI年次改訂はほとんど修正されず、金融政策の行方に注目が集まっている。 

Gold Set for Weekly Drop as Traders Mull Fed Rate Path | Metal slips after uneventful US CPI revisions

  サクソバンクの商品戦略責任者オレ・ハンセン氏は「将来の米利下げのタイミング、ペース、深さについて理解が深まるまで、金は動けないだろう」と予想。短期的な方向性は「今後の経済データとそれがドルや利回り、特に利下げ期待に及ぼす影響に引き続き左右されるだろう」と述べた。

  金スポット価格はニューヨーク時間午後1時41分現在、前日比11.32ドル(0.6%)安の1オンス=2023.20ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は9.20 ドル(0.5%)安の2038.70ドルで引けた。

原題: Stock Mania Rages On as S&P 500 Closes Above 5,000: Markets Wrap(抜粋)

‘Big Round Number’ for S&P 500 Triggers More Gains: Markets Wrap(抜粋)

Dollar Set for Sixth Weekly Gain on Yield Premium: Inside G-10(抜粋)

Dollar Pares Weekly Gain After US CPI Revisions: Inside G-10(抜粋)

Oil Cements Weekly Gain as Israel Presses Military Offensive(抜粋)

Gold Slips as Traders Mull Fed Rate Path After CPI Revisions(抜粋)

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