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「事故起こした原発、必要?」福島の高校生、IAEA事務局長に質問:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

 東京電力福島第一原発の視察などで今月12~14日に日本を訪れた国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長。期間中、原発をめぐる課題について、福島県内の高校生から質問を受ける機会があった。

 「核のごみ」は安全に処分できますか? 廃炉のゴールはいつですか? 福島のような事故はもう起きないと言えますか? IAEAは中立的と言えるのですか? それでも原発は必要ですか?――。高校生たちは忖度(そんたく)なしの鋭い問いを、次々とぶつけた。

 13日、富岡町の文化交流センターで、相馬高校や原町高校、安積高校など県内七つの高校の生徒約120人との意見交換会が開かれた。広野町のNPO法人「ハッピーロードネット」の主催で、西本由美子理事長が昨年の来日時に要望した提案に、グロッシ氏が応じたという。

 グロッシ氏は冒頭、IAEAの設立経緯や「原子力の平和利用」をめぐる世界の情勢、昨年8月から始まった第一原発から出る処理水の海洋放出の現状について説明した。

 磐城桜が丘高校2年の太田諒さん(17)は「東電の相次ぐトラブルや政府の対応の悪さで不信感が強まり、国民の信頼や理解が得られていないように感じます」と懸念を伝えた。

 グロッシ氏は「東電や日本政府の対応をめぐっては完璧にはいかない困難があるのはその通りだと思う」としたうえで「処理水放出計画は独立した機関のIAEAが、活動に制限を加えられることなくチェックできている」と答えた。

 磐城高校2年の神谷菜月さん(17)は「原発は一度事故が起きると何十年も影響を与えることになる。それでも原発を続ける必要がありますか」「廃炉や処理水放出の課題や責任を、どうして私たちの世代が引き継がなければならないのですか」と質問した。

 グロッシ氏は「原発では福島のような重大事故が起きているが、総合的に見れば安全性について良好な記録を残している。福島の事故の結果は我々全員が背負わなくてはならない。若い皆さんを守るため、少しずつではあるが必要なプロセスが取られている」と答えた。

 グロッシ氏はこのほか、原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分の方法や、日本政府が資金援助しているIAEAが中立的と言えるのかなど、約1時間にわたり10人の高校生の質問に応じた。「高レベル放射性廃棄物は何千年にわたり管理する手法が確立されている。私たちは明確な基準を持ち、高い透明性で各国の原子力政策をチェックしている」と答えた。

 終了後、神谷さんは「疑問は完全には解消しなかったけど、IAEA始めいろんな人が問題に取り組んでいることがわかった。私たちも自分事として向き合っていかなければと改めて思いました」と話した。(斎藤徹)

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