8日のニューヨーク外国為替市場で円は対ドルで下落。朝方には一時1ドル=155円68銭を付けた。日本銀行の植田和男総裁が円安のこれまでの物価への影響について控えめな 見解を示したことをきっかけにした円売りが続いた。
日米金利差を主因に円安基調に変化が見られない中で介入警戒感はくすぶっており、市場は当局の情報発信を注視している。
為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
ブルームバーグ・ドル指数 | 1256.36 | 1.93 | 0.15% |
ドル/円 | ¥155.62 | ¥0.93 | 0.60% |
ユーロ/ドル | $1.0746 | -$0.0009 | -0.08% |
米東部時間 | 16時40分 |
ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)の市場戦略担当グローバル・ヘッドを務めるウィン・シン氏は「口で言うのは簡単だ。(為替介入であれ利上げであれ)口先介入はもう限界に達していると思う。もし日銀が本当に円安に歯止めを掛けたいのであれば、為替介入を伴った利上げを早急に実施しなければならないだろう」と述べた。
4月末から5月にかけて、日本政府・日銀が2回にわたって 為替介入を行ったとテレビ東京が報じた。政府関係者への取材で分かったという。
ドル指数は3日続伸。主要10通貨ではスウェーデン・クローナの下げも目立った。スウェーデン中央銀行は2016年以来8年ぶりとなる 利下げを発表。低調な国内景気の下支えに向け、ユーロ圏よりも先に動いた。
株式市場ではS&P500種株価指数がほぼ横ばいで終了。個別銘柄では半導体のインテルが下落。同社は4ー6月(第2四半期)の売上高が以前に示した見通しの中間値を下回ると 予想。中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)向けの半導体輸出を米政府が新たに 禁止したことが響くとみる。
株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500種株価指数 | 5187.67 | -0.03 | 0.00% |
ダウ工業株30種平均 | 39056.39 | 172.13 | 0.44% |
ナスダック総合指数 | 16302.76 | -29.80 | -0.18% |
最近の反発の中で米国株を買おうという投資家の意欲が乏しいことは、市場が完全に強気に転じるには程遠いことを示していると、シティグループのストラテジストが 指摘。最近のショートポジションの解消により、S&P500種についての投資家のポジションはほぼ一方的なネットロングとなっているが、投資家は既存の強気ポジションに追加することをためらっているようだと、クリス・モンタギュー氏が率いるストラテジストらがリポートで解説した。
米10年債利回りは約4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇。この日行われた420億ドル規模の10年債入札に対する需要は低調だった。同入札では最高落札利回りが4.483%。入札前取引水準は4.473%だった。
スタイフェル・ニコラウスのストラテジスト、クリス・アーレンス氏は国債相場の「最近の上昇を考慮すると、入札での需要はまずまずと言えそうだ」と語った。
国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 4.64% | 4.6 | 0.99% |
米10年債利回り | 4.50% | 4.1 | 0.92% |
米2年債利回り | 4.84% | 0.6 | 0.13% |
米東部時間 | 16時40分 |
S&P500種は昨年10月末から4月にかけての上昇により、予想利益の20倍の水準で取引されている。こうした高いバリュエーションを正当化する理由をトレーダーらは探している。
バーンセン・グループのデービッド・バーンセン氏は最近の株高について、ファンダメンタルズ要因よりも、むしろ乗り遅れることへの恐怖(FOMO)が背景にあったとみている。企業業績の先行きはまだ不透明であり、相場を動かすような材料もあまり見当たらないと指摘。「7月もしくは恐らく9月まで利下げの可能性がなく、次の決算シーズン開始が2カ月先であることを踏まえると、様々なデータからの憶測以外に、目先の株価の方向性を変える材料は見当たらない」とリポートに記した。
市場参加者は、来週発表されるインフレ統計から米経済を巡る新たな手掛かりを得ることになりそうだ。先週発表された4月米雇用統計では労働市場が冷え込みつつあることが示された。
ボストン連銀のコリンズ総裁はこの日、需要を抑制し物価上昇圧力を低減するには、おそらく従来の想定以上に長く金利を高水準に維持する必要があるとの考えを示唆した。
米ボストン連銀総裁、インフレ2%目標達成には一段の時間要する公算
ネーションワイドのマーク・ハケット氏は「インフレに関する良いニュースはないが、忍耐強い投資家にとって明るい兆しはある」と指摘。「米金融当局が利下げを先送りする中、過去のデータによれば、金利据え置きの期間が長ければ長いほど、株式リターンは上向くことが多い。これは投資家に楽観の理由を与えるはずだ」と語った。
ストラテガスのライアン・グラビンスキー氏も同様の見解を示す。「2006年6月から07年9月までの最も長い据え置き期間は株式市場の最高のリターンを伴っていた」と同氏は語った。
雇用の伸び鈍化や消費者マインドの低迷を背景に、投資家の関心は ウォルマートや ターゲットのような小売大手の業績に向かうとみられる。消費動向を占う鍵となる両社の決算発表は来週と再来週にそれぞれ予定されている。
ニューヨーク原油先物相場は反発。米政府の統計で在庫減少が示され、現物市場の引き締まりが示唆された。
ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は1バレル=79ドル近辺で引けた。米エネルギー情報局(EIA)によれば、原油在庫は136万バレル減少。テクニカル面で弱気要素があふれる中、トレーダーがこの統計を最初の強気指標として受け止めたことを相場上昇は示している。
事情に詳しい複数の関係者によれば、米石油協会(API)は7日に米原油在庫の増加を見込んでいた。
BOKファイナンシャル・セキュリティーズのシニアバイスプレジデント、デニス・キスラー氏は「EIAの在庫統計の方が信頼度が高く、APIが示した大幅な在庫増加は打ち消された。それを受けて、前日遅くと今朝の取引で積み上がっていたショートの一部に買い戻しの動きが広がった」と分析した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は61セント(0.8%)高の78.99ドル。ロンドンICEの北海ブレント7月限は42セント(0.5%)上昇の83.58ドルで引けた。
金スポット相場は下落。日中は上げ下げを繰り返す方向感に乏しい展開となった。年内の金融緩和見通しを巡る当局者のタカ派寄りの発言が意識された。
金スポット価格はニューヨーク時間午後2時43分現在、1.60ドル(0.1%)安の1オンス=2312.50ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は1.90ドル(0.1%)下落し2322.30ドルで引けた。
原題: S&P 500 ‘Bumps Into a Wall’ After Blistering Rally: Markets Wrap
Treasuries Hold Day’s Losses as US Auction Met With Tepid Demand
Dollar Set to Rise For Third Day, Krona Struggles: Inside G-10
Oil Advances as US Stockpile Decline Signals Tighter Market
Gold Fluctuates as Traders Assess Hawkish Fed Comments
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