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【日本市況】長期金利1%割り込む、円は155円前半へ軟化-株式続落 - ブルームバーグ

5日の日本市場では債券相場が上昇し、長期金利はおよそ2週間ぶりに1%の大台を割り込んだ。前日の米国市場で発表された4月の求人件数が予想以上に減少し、利下げ観測の高まりから長期金利が低下した流れを受け、買いが入った。

  米金利の低下を材料に早朝は対ドルで一時154円台後半まで上昇していた円相場は、日本の賃金統計発表をきっかけに156円台までじり安。為替の不安定な動きを嫌気し、株式は電機や自動車など輸出関連株を中心に続落した。

  今週は米国市場で重要な経済統計の発表が相次いでいる。前半戦は米供給管理協会(ISM)製造業景況指数、求人件数と弱めの内容が続き、米10年債利回りは前日までの4営業日での下げが30ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)近くに及んだ。ただ、5日もISM非製造業とADP雇用統計、7日には雇用統計の発表を控え、米金利の動向に一喜一憂しやすい状況となっている。

  一方、厚生労働省が5日朝に発表した4月の毎月勤労統計調査によると、物価の変動を反映させた実質賃金は前年同月比0.7%減と25カ月連続で前年を下回ったが、2022年12月以来の小幅な減少率となった。賃金のトレンドを見る上で注目される共通事業所ベースでは、名目賃金が1.7%増と伸びが鈍化した。

5日の日本市場の債券・為替・株式相場の動き
  • 長期国債先物6月物の終値は前日比32銭高の143円83銭
    • 一時は46銭高の143円97銭まで上昇した
  • 新発10年債利回りは3.5ベーシスポイント(bp)低い0.995%
    • 一時は0.99%と5月23日以来の低水準
  • 円は対ドルで前日比0.8%安の156円12銭-午後4時50分現在
  • 東証株価指数(TOPIX)の終値は前日比1.4%安の2748.22
  • 日経平均株価は0.9%安の3万8490円17銭

債券

  債券相場は上昇し、長期金利は約2週間ぶりに1%を下回った。米国で4月の求人件数が予想以上に減少し、長期金利が低下した流れを引き継いだ買いが終日優勢だった。6日に実施される30年国債入札を前に先回り買いも入った。

  りそなアセットマネジメントの藤原貴志債券運用部長兼チーフファンドマネジャーは「相場は大きく巻き戻されている」と指摘。超長期債は買い進まれてしまうとあすの入札に懸念が出てくるが、昨日の10年債入札が1.05%付近の水準でこなしたことで、「一定の安心感が出ている」との見方を示した。

  また、米労働市場の軟化で米金利が低下基調になっているほか、日本の国債市場の流動性を踏まえると「今月の日銀金融政策決定会合で資産買い入れを明確に減らすものは出しにくくなっているとの観測も買いにつながっている」と述べた。

新発国債利回り(午後3時時点)

  2年債 5年債 10年債 20年債 30年債 40年債
  0.345% 0.560% 0.995% 1.830% 2.175% 2.335%
前日比 -3.5bp -4.0bp -3.5bp -3.5bp -4.5bp -5.0bp
債券先物の日中推移

外国為替

  東京外国為替市場の円相場は1ドル=156円台に反落。賃金統計のトレンドを見る上で注目される共通事業所ベースの賃金の伸びが鈍化し、賃金と物価の好循環の達成に対する不透明感が広がった。早朝は3週間ぶりの154円台で始まっていたこともあり、ドル買い需要の増加も円軟化につながっている。

  三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジストは「共通事業所ベースの現金給与総額が予想以上に下振れたところが円売り材料になっている」と指摘。下振れを受け、「予想以上に経済の正常化がうまくいかないという思惑が働きやすい」と話した。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行外国為替・コモディティ営業部の町田広之ディレクターは、154円台への上昇を受けたドル買い妙味も賃金統計を受けたドル高・円安の流れを後押ししているとみていた。

ドル・円相場の昨日以降の推移

株式

  東京株式相場は続落。円相場の不安定な動きが投資家心理を冷やし、日経平均株価の下げ幅は一時500円に迫る場面があった。自動車や電機、機械株など輸出セクターが安い。半導体関連銘柄は前日の米市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が下げたこともマイナス要因。保険や銀行株など金融セクターも売られた。

  東証33業種は、27業種が下落、上昇は6。下落率トップは保険で、上昇率トップは医薬品。売買代金上位ではディスコや三菱UFJフィナンシャル・グループ、トヨタ自動車、日立製作所が下げた。時価総額と流動性上位の30銘柄で構成されるコア30指数の下落率が1.6%安とTOPIXを上回るなど、大型株の下げが目立った。投資会社が批判的なリポートを発表したレーザーテックは急落。

空売り投資家スコーピオン、レーザーテック標的に-株価一時急落

  東洋証券の大塚竜太ストラテジストは、市場は円高を嫌う上、「短期の先物売りが相場を動かしている雰囲気だ」指摘。自動車株については円高要因に加え、認証を巡るスキャンダルが重しになっていると話していた。

日経平均株価の日中推移

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