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化粧品は私たちの生活に何をもたらしてくれる? - 日本経済新聞

魚谷社長の提示した「化粧品は私たちの生活に何をもたらしてくれる?」という課題に対し、多数の投稿をいただきました。日経COMEMO(https://comemo.nikkei.com/n/n727104cd73be )でも各業界のキーオピニオンリーダーたちが今回の課題について議論しています。

紙面掲載分を含めて、当コーナーでその一部を紹介します。

■人は皮膚で進化する

石見朋之(会社員、45歳)

素材が高機能化すると、化粧品の楽しさや便利さは広がる。色調などを変化させられる素材なら、オフィスではナチュラル、退社後のディナーで華やかな雰囲気に瞬時で変えられる。笑顔が苦手な人には、瞬時にメイクを変化させて口角が上がった印象を作ることで、コミュニケーションの支援ツールにもなる。飲酒量に応じて頬が赤くなれば、周囲に自分の体調を伝えられる。歌舞伎などのエンターテインメントで使えば「究極の早変わり」もできるだろう。紫外線量・湿度・温度などに応じて性質が変わる素材で、日焼け防止・保湿・制汗・放熱などを適切な状態で行ってくれるベースメイクができるかもしれない。老若男女問わず使う「日常化粧品(=ライフ・コスメ)」となるだろう。環境対応機能を高めたものは、極寒・酷暑・高山・深海・宇宙などで人間がより快適に生きることを支援してくれる。化粧品は、皮膚の機能を高めることで人間を進化させるのだ。

■多忙ママこそ美しく

西川典子(会社員、32歳)

仕事と家事、育児に追われる日々は、以前にも増して忙しさに目が回る。そんな中でもキレイでいたいし、なりたい。けれど時間もお金もそこまで余裕がない。そんな忙しいママ向けに、人工知能(AI)などの最新技術を使ったオーダーメード化粧品セットを提案する。スマートフォンのカメラで自分の顔を写すと、自分の好みの化粧品のイメージが映し出される。そして何度も自由に変更できることで、納得いく化粧品を家で簡単に選ぶことができる。さらにその場でインターネットから購入できる仕組みがあれば、世のママは届く前も、届いてからも毎日の生活に一層ポジティブになれるだろう。オーダーメード化粧品はママたちをもっと元気にキレイにして、世の中をもっといい方向に変えていけるチャンスになるのではないだろうか。そんなニューノーマルがもうそこまできているのだと思えば、コロナ禍でも前を向いて日々を頑張れる気がする。

■マスク越しの目力

成井和子(教員、72歳)

アーモンドの色と形の自分の目に気付いたのは20歳代の英国だ。周りの目は様々。アフリカの学生の目は大きな漆黒だった。日本人の私の目は小さく細い。議論になると大きな目の迫力に圧倒された。思いついたのがメーキャップ。大きさは変えられなくても印象は変えられる。当時、アイライナー・ペンシルで黒以外がそろっていたのは横浜元町だった。ラピスラズリ(瑠璃色)とブラウンを勇んで買い、勝負色に使った。ペンシルで目元から目尻の先まで細い直線を走らせた。以来、「目ヂカラキャップ」は、色々な国籍の人とする仕事とともにあった。黒髪は維持し、白が混じっても染めなかった。70歳代の今、髪は灰色。アイ・メーキャップはグレイで艶のあるパールやラメ入りを使うことが多くなった。自分の意見を発表する機会があると世界の誰にもまねできない自然色の髪とアーモンド・アイが私らしさを醸し出す。マスク越しでも化粧品は私の生き方を支えるのだ。

【以上が紙面掲載のアイデア】

■人と社会をつなぐ「架け橋」

冨永穂波(会社員、26歳)

コロナ禍で人との交流や外出の機会が減ってしまったが、そんな中でも化粧をすることで、表情や気持ちが自然と明るくなり、自分を律することができる。近年、介護の分野で、認知症や介護の予防・改善などを目的とした化粧療法が行われている。自己肯定感を高め、日々の生活にちょっとした高揚感をもたらす化粧品の存在は、更に高齢化が進む日本社会にとって、老若男女を問わず、欠かせないものになるだろう。アプリが加工を施し、オンライン上で簡単に「盛れる」化粧ができる時代になったが、実際に鏡の前に立ち、化粧をしながら一日のスケジュールを考えたり、その日の体調を自分自身で確認したりする時間は、「自分の心と向き合う時間」でもあり、心のバロメーターになっている。よって、化粧品はこれからの時代、デジタル技術によって進化し続けながら、人々の心を満たし、人が社会とのつながりを保つための「架け橋」であり続けるだろう。

■365通りの自分

斉藤遥香(津田塾大学学芸学部国際関係学科、22歳)

化粧品は私たちに、「365日、365通りの自分」をもたらしてくれる。その日達成したいこと、または「こんな気分で過ごしたい」という思いに沿った化粧をすることで、日々新たなアイデンティティーと共に生きる事ができる。私はこの思いのもと「#テーマのあるメイク」という言葉を作り、SNSで日々の化粧を投稿しているのだ。例えば友人と買い物に行く日は、気分を上げるべく明るいカラーをふんだんに使用してみたり、何か物申したい気分の時は、目元や眉毛をキリッとさせて「強い意志」を連想させてみたりしている。このように、化粧に「テーマ」を持つ事で日々少しずつ異なる自分を楽しむ事が出来、自らの気分も刷新され、結果的に1日1日が3割増しで充実したものになると気付いた。コロナ禍において未来への不安は尽きないが、そんな時代こそ「今日」という時間を120%の満足感で満たす役割こそが、化粧品に期待されているものだと考える。

■「装う」ことと自分

梶田直希(東京大学経済学部4年、22歳)

4月からオンライン授業が始まり、当初はパジャマのまま、ひげもそらずに、授業を受講することも多かった。しばらく経って、だらだらと日常の延長線で授業を聞き、身が入っていないことに気づく。服を着替え、ひげをそり、寝癖を整える。それだけなのに、気持ちがシャキッとして、さぁやるぞという気持ちで授業に臨める。たまのお出かけの日には前日から来ていく服を考え、いつもより長めのお風呂に入る。勝負の日にはいつもよりバッチリ決めていく。化粧品が私たちの生活にもたらすもの。もちろんTPOに応じての身だしなみや、他者・異性へのアピールなどの目的もあるが、やはり、さぁやるぞという気持ちを奮い立たせてくれたり、お出かけの気分を少し上げてくれる、勝負にあたって自信を与えてくれるなど、自分の気持ちを高めてくれる点が最も大きいと考える。化粧品は私たちに、自信と満足、日々の生活を闘う上でのエネルギーを提供してくれる。

■自分自身と向き合う機会

貞永結花(会社員、24歳)

化粧をすることは「自分自身と向き合う絶好の機会」を与えてくれる。自身に似合う化粧をするということは、自分のコンプレックスと向き合うことにもつながる。人はコンプレックスと向き合うことに抵抗がある。しかし、化粧を介することで抵抗なく、コンプレックスをどのように補い、より魅力的にみせるか、ということを追求する。化粧をすることは自らの自己肯定感を高め、自信やモチベーションのアップにもなる。またオンオフの切り替えになり、自身を律することにつながる。情報社会の発達、コロナウイルスのまん延など未曽有の事態となり、未来は予想がつかない部分も多い。マスクの着用が当たり前となり、「保湿」や「よれにくさ」、「アイメイク」など化粧において重要視するポイントは変わりつつある。今後ますます多様化する社会の中でも、私は化粧を介することで自らと向き合う時間を大切にしたい。

■生きるのが好きな人生へ

岩佐智梨(横浜市立並木第一小学校6年、12歳)

化粧品は私たちに自由をもたらしてくれる。化粧品に救われてから、私はずっとそう思っている。思春期特有の肌荒れが人より早く始まって、劣等感を抱いた。皆の、小学2年生らしいまっさらな肌は、見るのも辛かった。直接肌荒れを指摘され、言葉が出ないほど傷ついた。皆に自分を見せたくないという壁があって、生きづらかった。でも、その生きづらさは、化粧品によって自分の容姿に自信を持つことでなくなった。容姿に自信を持ち、皆に見られるのが恥ずかしくなくなり、好きな場所へひょいと飛び込めるようになった。容姿に自信がない人の多くは、姿を人に見せたくないという壁がある。でも、何かするには大抵人と関わらなくてはならない。そのせいで不自由なのだと思う。化粧品は、その壁を取り払い、自由にしてくれる。好きな環境にいられて、生きるのが好きになる。それはとても幸せなことだ。化粧品は、そんな幸せを生む"自由"をもたらしてくれる。

■中高年男性のメイクの可能性

西村雄一郎(会社員、46歳)

中高年の男性にとってのメイクは高齢化時代の「健康」という課題を解決する可能性を秘めていると感じる。俳優や男性アナウンサーの外見はこの10年で大きく若返った。すでに還暦を迎えていても40代に見える有名人も数多くいる。彼らは、もともとの外見に加えて、いつまでも若く見られるよう食事や生活習慣に気を遣い、テレビ出演の際のメイクに違和感が無いよう努力をしている。老化を取り繕うだけのメイクは滑稽な装飾となってしまうが、日ごろの努力で実現したアンチエイジングにマッチしたメイクは「若さ」や「清潔感」だけではなく、「力強さ」や年齢から醸し出される「安心感」を発することができる。このような行動を彼らの特権とせず、男性が時にメイクをすることが一般的な社会になれば、誰しも彼らと同じ意識を持たざるを得なくなり、多くの中高年が健康な人生を送ることができるはずだ。まずは結婚式に呼ばれたら気軽にメイクをしてみよう。

■大切な人を教えてくれる魔法

鈴木朝美(主婦、28歳)

友人が自宅に遊びに来る時には少し掃除をしよう、夫の誕生日には好物のメニューを用意しようという気持ちが生まれる。化粧もこのような思いやりやおもてなしの心を体現してるのではないだろうか。外出時には当たり前に化粧することが習慣になっている。しかし、思い返すと慣れずに化粧をしていた頃には、初恋の時に相手から良く見られたいと思いながら香り付きのリップクリームを塗るようなトキメキがあった。つまり、化粧は習慣である前に、自分にとって大切な相手がいることを実感させてくれる行為ではないだろうか。このコロナ禍で人に会うことも制限されて、これまで集めてきた化粧品たちの活躍の場も少なくなってしまった。しかし、オンライン飲み会や久々に知人と会う時には化粧をして、大切な人たちを失っていないことに気づく。化粧品は私たちの生活に「大切な人が身近にいるよ」とお知らせしてくれるような魔法の道具だと思う。

■それぞれの生き方に必要な栄養をもたらす

田中ふさみ(会社員、55歳)

化粧品は、人がより良く生きていきたいと願う時、あるいはそのことに気付いた時に自らが選んで与える「栄養」だと考える。その行為は、続けなくては意味がない。栄養を与え続けるには、健康に働かなくてはいけない。当たり前のことだが、このサイクルを継続できることは、自分に対しての自信になる。このように意識すれば、化粧品は豊かに生きることにつながる。まさしくイキイキと歳を重ねていくための栄養なのではないだろうか。身体の外から入れる栄養でありながら、間違いなく心の栄養にもなっているだろう。コロナ禍にあって誰もがより良く「美しく健康」に生きたいと願っている。化粧品は、私たちが心豊かに人生百年を美しく健康でより良く生き抜くために、自らが選んで与える栄養として進化し続けるものであり、私たちはその進化を求め続けるのだと思う。

■在宅医療や介護に寄り添う化粧

内藤可奈(会社員、48歳)

がんの末期。自宅での療養を選択した義母。調子の良い日は車いすに乗って買い物に出かけるのが楽しみ。このまま穏やかに春を迎えられるのではと私たち家族は話していた。でも宣告通り母は眠るように自宅で最期を迎えた。看護師さんに「お化粧を」と言われはっとした。義母の化粧ポーチの派手めなアイシャドーや口紅。旅立つ義母には明る過ぎるかなと思いながらも、いつものお化粧が一番かな。少しずつ元気だった義母に近づいていく。ピンクの口紅をさして。涙がこぼれた。いつもの義母が眠っていた。買い物の時、口紅をつけてあげられたらどんなによかっただろう。鏡をずっとベッドのそばに置いていた義母。在宅でのターミナルケアや介護の中に化粧の力を取り入れたい。癒やすことも癒やされることもできるケア。在宅サービスとしての化粧療法。たくさんの人に自分らしさを表現してほしい。

■平等な努力型社会

田中志門(海陽学園海陽中等教育学校2年、14歳)

人の印象の8割は顔で決まると言われる。人に好まれやすい顔や目を引く顔立ちというのは確かに存在すると思う。そのため、人に好まれる顔の人が評価されたり、他に欠点があっても目立ちにくいといった不平等が起きることもあるのではないか。そんな不平等に一石を投じたのが、化粧品という存在である。化粧品を使い努力することで、その差を埋めることができるようになったのだ。化粧品そのものは単なる素材だが、使う人自身が努力することで、初めて意味を成すようになる。今まで生まれつき変えられないものでの勝負を強いられてきたが、化粧品がある今、努力次第でその勝負に打ち勝てるようになったのだ。最近では「詐欺メイク」と呼ばれるものがあるが、それは化粧品本来の使い方であり、その努力は称賛すべきである。私は化粧品こそが、この平等な社会を作っているのではないかと思う。

■変化を受け止め、未来を表現する手段

牧山桃奈(会社員、25歳)

午後11時過ぎの電車に揺られながら、窓に映った自分の顔を眺める。これがこの先の人生で最も若い顔なのかとうつむく。朝、顔を洗ったとき、広がり始めた毛穴が、消えなくなったクマが、気になる。25歳。小さな変化が積み重なり、未来が少しずつ削りとられていくように感じる瞬間がある。輝かしく果てしないものだった「未来」という言葉の意味が、自分の中で少しずつ変わっていく。だが変化に抗えなくとも、どうありたいのか決めることはできる。私のために、誰かのために、今日どんな私でありたいのか。この瞬間の自分と向き合い、表現する手段が化粧だと思う。自分を鼓舞したい朝もあれば、誰にも会いたくない夜もある。昨日、今日、明日と変化する私を1本の口紅が、ひと差しの頬紅がつないでいく。化粧は変化する自分を受け止め、自ら選んだ今日という未来を積み重ねる手段なのだ。

■美しさと思い出を

渡邊ひなの(会社員、23歳)

成人おめでとう。成人式の前の写真撮影の日、振り袖姿の妹に、衣装とよく合うアイシャドーをそっとひと塗り。新型コロナウイルス流行の影響で、美容師さんに直接メークをしてもらえない今、姉の私が妹専属のメーキャップアーティストになった。普段、化粧をほとんどしない妹は、鏡に映る自分の姿に、恥ずかしがりながらも、なんだかうれしそう。まつ毛はぐっと上に、アイラインは跳ね上げて、リップは赤でなくっちゃね。化粧をしながらはしゃぐ娘たちに母も混ざり、家族で大盛り上がりだった。「ウィズコロナ」時代、百貨店でも美容部員さんの直接のタッチが難しいため、アドバイスを受けながら自分でメークする。プロの技を直に体験できないのは悲しいけれど、今回のことで自らメークする楽しさ、素晴らしさを再認識した。パッと華やいだ美しい妹の姿と、家族のすてきな思い出をつくってくれた化粧品たちに感謝している。

■新しい価値をもたらす秘密道具

藤井麻由(会社員、24歳)

私は社会人2年目の一人暮らしだ。スーパーでの買い物は、基本的に値段重視。しかし給料日になると値段ではなく「見た目の良さ」で買うことがある。人も一緒だと思う。きれいに化粧をした女性や男性、見た目に気を使っている人は、一緒に仕事したい、もっとコミュニケーションを取ってみたいと思わせてくれる。化粧は人の感情を動かす力がある。これは商品のパッケージと同じ。パッケージが良いとそれだけで買いたくなる、使ってみたいと思う。化粧は自分に自信を与えてくれるだけでなく、コミュニケーションのきっかけにもなる。最近はリモートワークなど、一つの場所に集まらず一人で仕事をする場面が増えてきた。この国の働き方が前に進んでいる証拠だ。しかし、私は「コミュニケーションなくしてイノベーションは生まれない」と思っている。イノベーションを生み出す秘密道具は「化粧」であり続けてほしい。

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September 28, 2020 at 12:00AM
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