13日の米金融市場では、シリコンバレー銀行(SVB)経営破綻の余波が広がる中、米2年債利回りが急低下。一方、S&P500種株価指数は小幅安。日中は上げ下げを繰り返した。銀行株が大幅安となった。テクノロジー株は持ち直し、ナスダック100指数は0.8%上昇した。
米銀行株が全面安、地銀急落で取引停止続出-当局行動も売り止まらず
株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500種株価指数 | 3855.76 | -5.83 | -0.15% |
ダウ工業株30種平均 | 31819.14 | -90.50 | -0.28% |
ナスダック総合指数 | 11188.84 | 49.95 | 0.45% |
ファースト・リパブリック・バンクの株価は62%安。KBW銀行株指数は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が始まって以来の大幅安となった。
バイデン米大統領は銀行システムの規制強化を議会に求めていく考えを示し、預金は保護されると約束した。
バイデン米大統領、銀行規制の強化目指すと表明-SVB破綻受け (1)
米国債
2年債利回りは50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)余り低下。これで3営業日連続の低下となり、3日間の下げとしては1987年のブラックマンデー以来の最大を記録した。安全逃避の動きが強まったほか、利益確定の動きも一部で見られた。10年債利回りは6週間ぶりの水準に下げた。
国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 3.70% | -1.1 | -0.31% |
米10年債利回り | 3.54% | -15.4 | -4.16% |
米2年債利回り | 3.99% | -59.9 | -13.07% |
米東部時間 | 16時51分 |
こうした混乱をきっかけに、米金融政策の方向性を早急に見直す動きが進んだ。金利スワップ市場が現在織り込む今月の25bp利上げ確率は約50%となっている。 ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストやパシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の資産運用者らは、SVBの破綻を受けて米金融当局が政策金利を据え置く可能性があるとの見方を示している。
FRBは状況を留意、3月に利上げ停止も-ピムコのアイバシン氏
アカデミー・セキュリティーズのマクロ戦略責任者ピーター・チア氏は、「米金融当局は何かが壊れるまで利上げを進めてきたが、本当に何かが壊れた」とブルームバーグテレビジョンで発言。「量的引き締めが休止されても、意外ではないだろう。市場を支える措置が見られるかもしれない。危機モードに戻っている。私にとっては銀行取り付け騒ぎの方がインフレよりもはるかに重要だ。当局が食い止めなければならないのはそれだ」と述べた。
エーゴン・アセット・マネジメントの債券投資マネジャー、ジェームズ・リンチ氏は「米連邦準備制度理事会(FRB)前議長のイエレン財務長官主導による包括的な措置が寄与し、米銀行システムのシステミック問題を巡る疑念は収まった。迅速な危機対応が講じられたことから、米金融当局はインフレ対応の利上げという日常業務に戻ることが可能だ」と話した。
B. ライリー・ウェルスのチーフ市場ストラテジスト、アート・ホーガン氏は米消費者物価指数(CPI)を確認もしないで、米金融当局の行動について臆測するのは恐らく正当性に欠ける」と指摘した。
外為
外国為替市場ではドルが主要10通貨に対して全面安。米利上げ停止観測が背景。ドル指数は3営業日続落し、年初来の上昇分を消した。
円は上昇し、対ドルでは133円台前半。一時は2%高の1ドル=132円29銭を付ける場面もあった。
為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
ブルームバーグ・ドル指数 | 1245.08 | -8.45 | -0.67% |
ドル/円 | ¥133.24 | -¥1.79 | -1.33% |
ユーロ/ドル | $1.0731 | $0.88 | 0.83% |
米東部時間 | 16時51分 |
バノックバーン・グローバルのチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「来週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合での50bp利上げ観測は消滅し、25bp利上げへの懐疑論も浮上している」とリポートで指摘した。
ドイツ銀行のストラテジスト、ジョージ・サラベロス氏は「米金融当局が引き締めを再加速するハードルは大幅に高くなった。金利の最終到達点は低くなる公算が大きい」と顧客向けリポートで指摘。「過去数週間、政策金利『6%への恐れ』が当行のドル弱気論に対する単一で最大の障害であると指摘してきたが、この後退は重要なドル下落の呼び水になる」と論じた。
原油
ニューヨーク原油先物相場はボラティリティー(変動性)が急拡大する中で大幅安となった。トレーダーらは金融危機後で最大の銀行破綻が金融政策にどう影響するのか見極めようとし、リスク敬遠に走った。
ロンドンICEの北海ブレント原油は一時、2月上旬以来の1バレル=80ドル割れとなったが、一部値を戻した。米当局は銀行システムの信頼を強化し、悪影響の波及を食い止めようと、緊急措置を発表した。
トータス・キャピタル・アドバイザーズのマネジングディレクター、ロブ・サメル氏は「リスクオフの動きが原油価格を押し下げていた」と指摘。「銀行に関する方向性がわずかながらはっきりしてきたため、リスクオフの動きはやや静まった」と述べた。
ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)期近物の50日インプライドボラティリティー(IV、予想変動率)は、約16ポイント上昇し、2022年にロシアがウクライナを侵攻した後で最大の拡大となった。米政策金利の動きも注目を集めている。ゴールドマン・サックス・グループが来週の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げは見込んでいないと明らかにした。
ニューヨーク商品取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は前営業日比1.88ドル(2.5%)安い1バレル=74.80ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント5月限は2ドル(2.4%)下げて80.77ドル。
金
ニューヨーク金相場は大幅高。SVB破綻の余波で安全性への逃避が続いた。
サクソバンクの商品調査責任者オレ・ハンセン氏は「2年債利回りが1週間足らずで1ポイント近く下げ、市場では利上げ観測が一段と後退している現状、金は上がるしかない」と述べた。「金は金利とドルに対して最も敏感なコモディティーだ」と続けた。
先週にSVBの問題が報じられるまで、金は年初から12%下げていたが、今では50日移動平均を上回り、モメンタムの変化を示唆している。
金スポット価格は一時2.4%高の1オンス=1913.13ドル。8日の値決めからはおよそ5%高に相当する。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は、前営業日比49.30ドル(2.6%)高い1916.50ドルで終了した。
原題: Bonds Rally, Stocks Steady as Fed Rate Path Mulled: Markets Wrap(抜粋)
Dollar Declines Broadly as Market Bets on Fed Pause: Inside G-10(抜粋)
Oil Sinks in Volatile Trading as Bank Failure Sparks Selling(抜粋)
Oil Slides as US Bank Collapse Stokes Economic Uncertainty(抜粋)
Gold, Copper Advance as SVB Fallout Triggers Flight to Safety(抜粋)
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