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【米国市況】株続落、終盤に売り-利下げ期待にパウエル議長が冷や水 - ブルームバーグ

3日の米株相場は続落。連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げ停止の可能性を示唆したことを受けて上昇する場面もあったが、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言が伝わると売りが優勢になった。会合後の記者会見で議長は、インフレが高止まりすれば利下げはしないと言明した。

  ただ、米国債市場では利下げを織り込む動きが広がり、スワップ市場では引き続き年内の大幅緩和が見込まれている。金融政策動向に敏感な2年債利回りは一時12ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下。外国為替市場ではドルが続落した。

FOMC、0.25ポイント利上げ-パウエル議長は停止の可能性示唆 (3)

株式 終値 前営業日比 変化率
S&P500種株価指数 4090.75 -28.83 -0.70%
ダウ工業株30種平均 33414.24 -270.29 -0.80%
ナスダック総合指数 12025.33 -55.18 -0.46%
国債 直近値 前営業日比(bp) 変化率
米30年債利回り 3.69% -2.4 -0.64%
米10年債利回り 3.37% -5.8 -1.70%
米2年債利回り 3.87% -9.3 -2.34%
    米東部時間 16時36分

  FOMCに関する市場関係者のコメントは以下の通り。

  • ラザードのチーフ市場ストラテジスト、ロナルド・テンプル氏

「サプライズはない。FOMCは銀行システムでのストレス悪化を避けながらインフレを抑制する上で適切なバランスを取った。銀行問題が落ち着けば追加利上げが必要になるかもしれないが、引き締めの効果を経済に最大限行き渡らせるために一旦休止する時期が来ている」

  • アメリベット・セキュリティーズの米金利トレーディング・ストラテジー責任者、グレゴリー・ファラネロ氏

「文言の変化は我々の見解、そして過去数回の会合を通じた状況の変化と整合しており、引き締めサイクルの終わりを示すものだ」

  • ロンバー・オディエ・アセット・マネジメントのマクロ調査担当責任者、フロリアン・イエルポ氏

「米金融当局は綱渡りをしているが、自分たちが何をしているかは分かっているようだ。これは市場や投資家にとって安心材料になる。債券市場では高ボラティリティーの終わりとはならないだろうが、その最大の敵(サプライズの大幅利上げ)はなくなり、これは見通しの著しい改善に向けた最初の一歩だ。株式の観点でも、金利が落ち着くのは恐らく良いことだ」

  FOMC発表前の市場では、米連邦債務上限問題を巡る先行きの不透明感も意識された。

米債務上限問題、期限まで残された時間わずか-短期措置で乗り切りも

  BNYメロン・インベストメント・マネジメントのアジアマクロ・投資戦略の責任者、アニンダ・ミトラ氏(シンガポール在勤)は「今後数週間、場合によっては1-2カ月間の重要なリスクイベントだ」と指摘。「こうした環境下での資産配分では債券をロングに、株式をアンダーウエートにすることを推奨している」と述べた。

外為

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数はFOMC発表後、一時0.7%下落し、2週間ぶり低水準に落ち込んだ。その後、パウエル議長が労働市場の強さなどに言及すると多少持ち直した。ドルは対円では一時1ドル=134円84銭まで下落。

  この日発表された経済指標では、4月の米民間雇用者数は9カ月ぶりの大幅な増加となり、景気が冷え込む中でも労働市場が底堅く推移していることが浮き彫りとなった。

米ADP民間雇用者数、9カ月ぶりの大幅な増加-予想のほぼ2倍 (2)

為替 直近値 前営業日比 変化率
ブルームバーグ・ドル指数 1223.47 -5.39 -0.44%
ドル/円 ¥135.22 -¥1.33 -0.97%
ユーロ/ドル $1.1057 $0.58 0.53%
    米東部時間 16時36分

原油

  ニューヨーク原油先物相場は3営業日続落。米国のデータで需要の弱さが示されたことを受けて、世界経済がリセッション(景気後退)に向かっているとの懸念が強まった。

  この日発表された米エネルギー情報局(EIA)の在庫統計では、ガソリン需要の縮小と燃料供給の拡大が示された。ジェット燃料需要も減少。ただ、1年前の水準は引き続きやや上回っている。

  北海ブレンド先物の7月限と8月限の価格差は15セントと、週初に一時付けた43セントから縮小。これは短期的に供給が需要を上回るとトレーダーらがみていることを示唆している。

  TDセキュリティーズのコモディティーストラテジスト、ダニエル・ガリ氏は「新型コロナウイルス禍の相場上昇以降において、安値で買いを入れるのが最も難しい状況だ」と指摘。ブレントのタイムスプレッド(異なる限月の価格差)の悪化は「トレーダーがハードランディングを暗に想定する中、コモディティー需要を巡る期待が著しく落ち込んでいることを示唆している。景気後退懸念がエネルギー市場に織り込まれ始めたのはこれが初めてだ」と述べた。

Oil's Selloff Deepens | US crude futures are oversold on nine-day relative strength index

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物6月限は、前日比3.06ドル(4.3%)安の1バレル=68.60ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント7月限は2.99ドル安い72.33ドル。

  ニューヨーク金相場は続伸。パウエルFRB議長がFOMCは利上げ停止を検討する可能性があると示唆したことが背景。

  スポット価格はニューヨーク時間午後4時5分現在、前日比0.9%高の1オンス=2034.52ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限はFOMC声明発表前に、13.70ドル(0.7%)高の2037ドルちょうどで引けた。

Bullion Gains for Second Day as Powell Hints at Possible Pause | Prices are close to record high of $2,075

原題: Stocks Drop as Powell Signals No Fed Cuts For Now: Markets Wrap

Stocks Rise, Yields Drop With Fed Pause in Sight: Markets Wrap

Treasury Yields Drop as Stocks Waver in Fed Run-Up: Markets Wrap

Dollar Settles Above Two-Week Low After Fed Hike: Inside G-10

Oil Drops Below $69 as Weak Demand Data Add to Recession Worries(抜粋)

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