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日本の株式資本市場、2024年も復調継続へ-政策保有株売却に弾みも - ブルームバーグ

ことしアジアで最も活発だった日本の株式資本市場(ECM)は2024年も好調が続くとみられている。相場の一段高が期待される中、企業による政策保有株の解消など売り出しを中心に、株式を活用した資金調達の検討が加速するとの声が上がる。

  ブルームバーグのデータによると、23年は新規株式公開(IPO)や公募増資・株式売り出し(PO)などを含む株式市場での資金調達総額が20日時点で約4兆4000億円と、同期間として18年以来の大きさになった。これは日本と同じアジア太平洋の先進国に分類されるオーストラリアと香港、シンガポール、ニュージーランドでの合計調達額を上回る。

  過去25年で最も低調だった22年からは3.6倍にV字回復した形。こうしたECMの好調は、デフレからの本格脱却や東京証券取引所が主導する企業の資本効率改善を背景に、バブル崩壊から長く低迷してきた印象が根強い日本の株式市場が大きく転換しつつあることを象徴する。

  「日本市場は金融緩和や緩やかなインフレ、円安、企業統治改革などの追い風を享受している」と、バンク・オブ・アメリカのアジアECM共同部長を務めるアクシェー・ソネ氏(香港在勤)は話す。24年もECM市場の活況は続くと予想している。

日本は他のアジア市場を上回る増加率

IPOや公募増資・売り出しなどによる調達額の前年比増減率

出所:ブルームバーグ

  23年のECMをけん引したのはこれまでで総額3兆円に上った株式の売り出しだ。 日本郵政が3月に総額1兆円超の ゆうちょ銀行株を 売り出し、ことし世界最大規模の取引となった。トヨタ自動車グループは株式の持ち合い見直しに向け、手始めにトヨタが保有するデンソー株の 一部売却に踏み切った。

  この流れは24年1-6月期も続くと、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の花倉恒徳エクイティ・キャピタル・マーケット部長はみる。デンソーなど知名度の高い企業の売り出しを受け、「金融機関に加え、事業法人間での政策保有株の売却の検討が加速する可能性がある」と予想。同時に、一段の活況には夏以降レンジ推移が続く株式相場の水準が切り上がり、過去最高値の更新を目指す勢いが必要だとの見解も示す。

  東証株価指数(TOPIX)は年初来で23%上昇しており、年間では13年以来の上昇率となる見込み。短期的には円高や消費の低迷、海外市場との競争といった リスク要因が警戒されるものの、国内外の大手証券会社の間では株価指数は24年も10%を超える上昇が続くとの 見通しが広がっている。

  懸念材料はグロース(成長)株の行方だ。米国などの利上げを受けた金利上昇でハイテク株などの割高感が意識され、東証グロース市場250指数は年初来で6.5%下落。年間では3年続けて下落する見込みだ。成長株に対し投資家が慎重な局面では企業が目指す資金調達規模と投資家の評価額が一致しづらくなる。みずほ証券の武井隼人エクイティシンジケーション部長は、成長株の低迷が続くとIPOへの重しとなりやすいと話す。

  転換社債型新株予約権付社債(CB)にも関心が集まる。金利上昇局面では、比較的調達コストの低いCBを用いた資金調達を企業は選好しやすい。ブルームバーグのデータによると、日本企業が23年にエクイティーリンク債で調達した金額は現時点で総額約5300億円と前年同期間の8.5倍に拡大した。

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